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デジタルな顧客接点をリアルに活用する森美術館・中川政七商店の事例

広報部

2020.11.17

かねてからデジタル(オンライン)とリアル(オフライン)の融合は、小売業をはじめとするさまざまな企業における課題として挙げられてきました。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大によって、その重要性は以前よりも増したと言えるでしょう。

そんななかで、SNSやメールマガジンを活用し、デジタルな顧客接点をリアルに活用する事例も増えてきています。今回は、そんな事例のなかから森美術館と中川政七商店の事例を見ていきましょう。

Instagramによってデジタルとリアルの顧客接点を構築する森美術館

森美術館ではInstagram以外にもWebサイトやTwitter、Web広告などさまざまなデジタル施策による顧客接点づくりを行なっていますが、そのなかでも最も優先度を高く設定しているものがInstagramです。

当初はシェアやリツイートのような拡散の仕組みが弱いInstagramの利用は消極的でしたが、運用を始めてみたところ他のSNSよりも圧倒的に反応数が多く驚いたとのこと。

森美術館は美術館としては珍しく館内の撮影が可能です。撮影された展示物は以前から来場者によってSNSに投稿されていましたが、展覧会毎につけてほしいハッシュタグを明記した案内を各所に設置したところ、来場者によって同じハッシュタグで集う場がSNS上に形成されました。

その結果、デジタルの場でも顧客との強固な関係を築くことができたのです。実際に森美術館では美術館の出口でアンケート集計を行なっていますが、来館動機の中でもSNSは常に半数を超えており、デジタルでの顧客接点がリアルに活かされていることが分かる結果となっています。

メールマガジンによる深い顧客接点づくりに注力する中川政七商店

中川政七商店でもSNSやWebサイトなどのデジタル施策による接点づくりを行なっており、そのなかでも重要視しているものはWebサイトとメールマガジンです。

中川政七商店の取締役CDOの緒方恵氏は「出会う人とだけ出会う方法を模索している」とコメントしており、同社の顧客との向き合い方を「接心好感」と表現しています。デジタルにおける顧客接点づくりでは、メールマガジンを重視していることが接心好感の考えに則った施策と言えるでしょう。

緒方氏は「顧客がブランドに好意を持って『あなた達の情報が引き続きほしいです』という意思表明があって初めて関係性が生まれるのがメルマガだ」とコメントしており、まさに顧客起点の発想と言えます。

中川政七商店のWebサイトではSNSの登録よりもメールマガジンの登録のほうが目を惹く作りになっており、デジタルにおける顧客接点づくりとしてメールマガジンが重要視されているとわかります。

デジタルな顧客接点をリアルにどのように活かすかが重要

いまや、ほとんどの企業がSNSやメールマガジンを活用してデジタルな顧客接点づくりに着手していますが、最終的にリアルな顧客接点にどのように活かすのかが重要です。

商品の購入、実店舗への送客、自社のファンづくりなど、顧客接点を活かすための目的は多種多様であり、その目的を達成するための手段としてデジタルな顧客接点をリアルに活かすことが求められると言えるでしょう。

〈参照〉森美術館と中川政七商店の視点。デジタルの顧客接点は、リアルにどんな効果をもたらすのか?/Agenda note

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