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なぜ食品スーパーとドラッグストアはコロナ禍でも好調なのか-その理由と今後について

広報部

2021.02.18

2020年は新型コロナウイルスの影響で多くの小売業が業績不振に苦しみました。しかし、そんななかでも食品スーパーとドラッグストアは順調に業績を伸ばすことができています。これらの店舗はなぜコロナ禍でも業績を伸ばすことができたのでしょうか。

今回は、業界専門媒体編集長2名のオンラインセミナーでの内容をもとに、食品スーパーとドラッグストアの強み、今後の未来像について見ていきましょう。

食品スーパーの強みと今後

食品スーパーの強みは、需要が再生産される「食」をメイン商材としており、総合業態であることです。生鮮食品や惣菜は取り扱いの難易度が高く、他社から参入されにくいため業績のブレが少ないといえます。

コロナ禍では外出を自粛する人々が増え、買い物の頻度が下がりました。しかし、食品は必須であり、外出時にまとめ買いをする人々も増えたことから、部門を超えたワンストップショッピング業態である食品スーパーが一番店として支持されました。

例えば、惣菜系はバラ売りができないことやイートインが使えないなどの理由から売上が大きく下がりましたが、巣ごもり需要の高まりによる自炊機会が増えたことで素材系は一気に売上が伸びています。一部門で下がってもその他の部門でカバーできる総合業態の強みが発揮されたのです。

今後の食品スーパーの課題としては、オーバーストア状態であることが挙げられています。加えて、少子高齢化と世帯人数減少の問題もあり、小商圏かつ高シェアのフォーマットを目指すことが求められると語られました。

ドラッグストアの強みと今後

ドラッグストアの強みは、高齢化や人口減少に強いビジネスモデルを開発できるところにあります。実際に人口減少による小売店の売上は縮小傾向にある中で、ドラッグストアは2014年から2019年にかけて成長率141.8%と伸びています。

ドラッグストアのメイン商材は衛生用品や食品などの生活必需品であることから、コロナ禍でも全体的に業績は伸びました。しかし、一部のドラッグストアチェーンは不振であり、そこにドラッグストアの弱みになりうる危険要素があると語られています。

その危険要素として、次の3点が挙げられました。

  • インバウンド需要頼みの脆さ
  • 調剤事業への過剰投資
  • 高速出店によるオペレーションの緩みや過剰競争からくる疲弊

これらの要素を踏まえ、ドラッグストアは将来的に次に挙げるような方向性を決めて業態進化を図る必要性があると語られています。

  • 少人口エリア対応モデル構築
  • 調剤強化
  • ヘルスアンドビューティ強化
  • グローバル化
  • デジタル化

そして、これらの方向性を単一ではなく、組み合わせ戦略を立てていくことも考えられると語られました。

〈参照〉業界誌編集長が語る、コロナ禍でも好調な食品スーパーとドラッグストアの未来/MD NEXT

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