2021年5月19日に、株式会社アダストリアは初のOMO型店舗として「ドットエスティストア」をオープンしました。アダストリアはカジュアル衣料品や雑貨を中心としたSPAブランドを展開しており、ドットエスティストアでは、ECとの連動やマーチャンダイジングに活用していく考えとしています。
今回は、ドットエスティストアの概要と併せて、オープンの目的について見ていきましょう。
「ドットエスティストア」の概要
ドットエスティストアは同社の展開ブランドを多数取り揃え、ブランドをミックスしたコーディネートやブランドを横断したレコメンドアイテムを提案する店舗です。ECでの購入を促すのではなく、顧客体験価値を高めた「情緒的なOMO型店舗」として運営するとしています。
ドットエスティストア内にはミラー型サイネージが導入されており、事前に指定のスタッフの接客予約を行うと、アイテムのスタイリングアドバイスを1対1で受けられます。加えて、カメラ機能を使って試着した状態でバックスタイルを録画して確認することも可能です。
その他にも、ハッシュタグ検索を使って試着しながら好みのスタイリングを探したり、購入履歴にあるアイテムに関連するコーディネートを見つけたりと、情報発信を利用者との会話のきっかけにつなげる考えです。
また、ECの「ドットエスティ」で購入した商品の受け渡しや試着予約などにも対応しており、店舗入口に設置されたタッチポイントで会員バーコードをかざすと、購入の有無に関係なく来店ポイントを獲得できる用になっています。これにより、アダストリアは会員の商品購入の有無が確認でき、ECやマーチャンダイジングに活用するとしています。
「ドットエスティストア」の目的
ドットエスティストアの特徴は、ECのコンテンツと連動していながらショールーミング型の店舗ではないことです。その理由として、田中順一執行役員は次のようにコメントしています。
「ショールーミング型店舗は機械的かつ無機質な印象になってしまい、成功している事例もまだない。コロナ禍でECが伸びたのもスタッフの情報発信があったからこそなのでスタッフや顧客を軸に据えた店作りにした」
ドットエスティストアはアダストリア初のOMO型店舗であり、オープンの目的は「ファンを増やすこと」としています。店舗での体験を通じて、同社ブランドの単独店舗への誘導や自社ECのアクティブ会員数増加につなげたいと考えられています。
