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Amazonの「置き配」が全国展開、日本郵便との連携を強める

2020.03.31

大手ECサイト「Amazon」が提供する「置き配」サービス。2020年から日本郵便と連携することで、全国に対応する予定となっています。日本全国で「置き配」が利用できるようになれば、配達員の負担軽減や業務効率化の大きな手助けとなることでしょう。

今回は、Amazonの「置き配」について、概要や仕組みとあわせて紹介していきます。

Amazonの「置き配」が2020年に全国展開

「置き配」は、玄関などに配達物を置いて届けるサービスです。従来は、同社の配送網のある地域に限られていましたが、2020年から日本郵便と連携することで全国に展開する予定です。

ネットショッピングの利用者が増えることで、宅配業界は大きな負担を抱えるようになりました。日本では、未だに配達物の直接手渡しが一般的であり、配達時に受け取ることができず、再配達を依頼する場合も多いものです。
再配達は、宅配便の約2割を占めており、年に9万人の労働力を要しています。

「置き配」は、このような労働者の負担軽減や、業務の効率化に一役買う施策といえるでしょう。

Amazon「置き配」の概要・仕組み

Amazonでは、対応地域で「置き配指定」を選択できます。「置き配指定」を選択することで、直接応対やサインを必要とせず、配達が完了します。

配達を自宅で待つ必要もなく、配達完了時はスマホなどに通知がされ、写真で確認可能です。さらに、商品がお届け済みにも関わらず、手元に商品が届いていない場合は、Amazon側で商品の再送や返金などの補償対応を行うため、安心して利用できます。

「置き配指定」できる場所としては、玄関や車庫、自転車カゴ、ガスメーターボックスなど、お住いの状況に合わせて自由に選択可能です。日中自宅におらず、荷物が受け取れない、といった消費者の立場としても、置き配サービスを活用することで、利便性が向上します。

日本社会でますます求められる「業務効率化」「合理化」

Amazonの「置き配」は、アメリカや中国ではすでに一般的なものとなっています。むしろ、米国においては、手渡しの場合は別途手数料がかかるほどです。
配達員の労力を考えれば、「置き配」は非常に合理的であり、負担軽減や業務効率化に効果的であることは明らかです。しかし、日本においては、抵抗を感じる方も少なくないのではないでしょうか。

現代の日本は、労働者不足が深刻な問題となっています。今後もさらに悪化することが予想されており、AIやロボット技術などの新たなテクノロジーによって、労働力を確保する取り組みが行われています。

Amazonの「置き配」は、私たちの意識を変えるきっかけのひとつです。従来の価値観にとらわれることなく、新たな技術やサービスを柔軟に取り入れていくことで、業務の効率化、合理化に対応することが求められているのではないでしょうか。

〈参照〉アマゾン、全国で「置き配」 日本郵便と20年に/日本経済新聞

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