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世界中で静かに始まっている「6G」の覇権争いに日本も参戦

2020.03.31

スマホなどのネットワーク通信で用いられる移動通信システム。日本で現在主流の移動通信システムは「4G(LTE)」ですが、「6G」の実現に向けて日本でも官民会議が行われました。

今回は、6G研究会議の目的や、5Gと6Gの違いなどについて紹介します。

なぜいまから「6G」研究に着手するのか

2020年1月27日に総務省主導で、6Gの実現に向けた官民による有識者会議の初会合が開かれました。4Gの次世代となる5Gは、日本では2020年春から商用化される予定です。そのような状況のなか、なぜいまから6G研究に着手するのでしょうか。

5Gはアメリカや韓国、中国ではすでに実用化されており、日本は一歩出遅れた形となっています。5Gでの技術開発や商用化で遅れた日本は、6Gでは主導権を取りたい狙いがあるのです。

すでに世界規模で6G研究は進められており、日本もその流れに乗るために今回の官民会議が行われました。

6Gは通信分野の規格であり、規格に関わる特許を持つことで巨額の利益を得ることができます。5Gの標準規格に関する必須特許は、韓国のサムスン電子が全体の8.9%でトップです。日本ではNTTドコモが全体の5.5%の特許を取得していますが6位という結果に。

6Gではそのシェアを取り返したい考えがあります。

5Gと6Gの違い・構想

そもそも、日本では5Gも未だ実用化されていないため、ピンとこない方もいるのではないでしょうか。5Gの通信速度は最大20Gbps、同時接続数は1平方キロメートルあたり100万台、通信遅延は1msと、現在主流の4Gと比べて約10倍の性能を実現するものです。

5Gの通信速度は、2時間の映画を3秒でダウンロードできる、といわれるほど高速なものであり、同時接続数が増えることで、IoTの発展を支える基幹となり得るものになっています。さらに、通信遅延が限りなく無くなることで、自動運転や遠隔手術などの分野への活用も考えられています。

このように、5Gでもさまざまな技術革新をもたらすものです。6Gは現段階では具体的な内容は定まっていませんが、この5Gの10倍以上の性能が期待されています。日本では性能面だけでなく、省エネやセキュリティ分野に強みを持つ企業が技術活用を検討しています。

NTTは回線から端末までの通信に電気信号を使わず、光だけで実現する「IOWN(アイオン)」という構想を提唱。東芝やNECはセキュリティに強みがあり、量子暗号技術を用いた暗号方式開発に期待がかかっています。

総務省は2030年頃の実用化を検討しており、世界に先駆けて6Gを実現するための準備が水面下で進められているのです。 〈参照〉「6G」はや主導権争い 日本、失地回復へ官民会議/日本経済新聞

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