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IoT導入で進化するワークマンの「データ経営」

2020.03.31

作業服販売の最大手であるワークマンは、2019年10月25日に新店舗で新たな試みを実施しました。この試みは商品の購入を後押しすることだけでなく、ワークマンの「データ経営」にも大きな発展をもたらすことでしょう。ワークマンの新たな試みの概要とあわせて、データ経営の発展について解説します。

QRコード付きポップの導入による購入の後押し

ワークマンは2019年10月25日に、千葉県松戸市に新店舗となる「ワークマンプラス テラスモール松戸店」を開設しました。同店では、人気衣料にQRコード付きのポップをつけており、QRコードを読み取ることで、商品の感想などを紹介したサイトを閲覧することが可能です。ブログだけでなく、写真投稿サイトの「インスタグラム」への誘導も含まれています。実際に着用した感想や写真を閲覧でき、購入を後押しすることが目的です。

2019年10月時点では、同店で7個のポップにQRコードを設けましたが、今後も増やしていく予定であり、2020年2月からは全店で実施する計画となっています。

QRコード付きポップ導入を後押しする「製品開発アンバサダー」

ワークマンは作業服開発に注力してきたため、一般客向けの商品についての開発ノウハウが多くありません。そこで、ワークマン製品を愛用しているブロガーなど20人を対象に「製品開発アンバサダー」契約をしました。一般客向け商品として、アンバサダーの意見をもとに改良を進めることが狙いです。

製品開発アンバサダーは、2020年末までに50人まで増やす予定であり、2020年9月にはアンバサダーと開発した商品を集めたファッションショーを予定しています。

ワークマンの「データ経営」にさらなる発展をもたらす

ワークマンの経営は、徹底した店舗の標準化が特徴です。直営、業務委託、フランチャイズを含む全店舗で徹底した標準化を実施しています。ほとんどの店舗で品揃えを共通化し、同一価格とすることにより、データ経営を実現。さらに、独自の需要予測アルゴリズムを開発し、需要予測発注によって売上を伸ばす狙いがあります。
ワークマンのデータ経営が良い結果をもたらしていることは、数字として現れています。需要予測発注の導入店舗とそうでない店舗を比較した際、前年比で平均でも3%の売上増加が達成されました。

人気衣料にQRコード付きポップを導入したこともデータ経営の一環といえます。一般客の購入意欲の後押しだけでなく、さらなるデータ収集の足がかるとなることでしょう。IoTの導入により、ワークマンの今後のデータ経営はさらなる発展が期待されます。

【参照】
商品紹介のブログに誘導 ワークマン、千葉県の新店で/日本経済新聞
ブルーオーシャンを開拓し続けるワークマンの「データ経営」/IT Leaders

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