ドラッグストアチェーンの「マツモトキヨシ」が、「体験」を重視した新たな店舗を展開しました。リニューアルした池袋マツモトキヨシでは、新規顧客を獲得するための戦略が盛り込まれています。
今回は、池袋マツモトキヨシのリニューアルポイントや、新規顧客を獲得するための戦略について見ていきましょう。
池袋マツモトキヨシのリニューアルポイント
2019年11月に「マツモトキヨシ池袋パート2店」がリニューアルオープンしました。従来のドラッグストア像からの脱却を狙い、「体験」を重視した店舗づくりを行っています。
1階にはショーケースを活用した商品紹介コーナーを新設し、ドラッグストアとは思えない空間を演出。2階にはメークスペースやフォトスポットを用意しており、自撮りによる店舗情報のSNS拡散を狙っています。さらに、タブレット端末を使って、疑似コンシェルジュが店舗案内をするサービスも導入しており、ITとの融合が進んでいます。
日用品や消耗品は3階に配置していますが、従来は1階に配置していました。3階に配置することで、1階・2階の体験コーナーに顧客が触れやすくする工夫をしています。
男性向けスペースを用意
地下1階は男性向けスペースとなっており、男性向けのスキンケアだけでなく、折りたたみ傘なども販売。マツモトキヨシとしては、男性向けコーナーを作ることは初めての試みです。
マツモトキヨシの顧客属性としては、女性が7割であるため、男性向けコーナーを作ることで男性だけで訪れやすい店舗にすることを心がけたそうです。さらに、男性でもメーク需要が高まっていることもあり、商品を持参することでメークアップ体験ができるようになっています。フルメークの場合は40分、簡単なメークであれば10分ほどで完了します。
昨今では、男性サラリーマン層でもメーク需要があり、プレゼンや商談などの場で顔色をよく見せるために用いられているようです。そのような需要に対応するために、男性向けスペースを用意しています。
新規顧客を獲得するための施策が盛り込まれている
ドラッグストアは、お買い得な商品を買いに行くイメージが強いのではないでしょうか。しかし、マツモトキヨシ池袋パート2店では、従来の顧客だけでなく、幅広い層の新規顧客を獲得する施策が盛り込まれています。
男性向けスペースを初めて用意したり、インバウンド顧客向けにマンガチックなスペースを用意したりしているところからも判断できます。さらには、ITとの連携によって情報を拡散し、新規顧客を獲得しようとしているのです。
「必要なものを買いに来る場所」から「何となく訪れる場所」として、「体験」を重視したアミューズメント店舗に生まれ変わったといえるでしょう。マツモトキヨシの担当者も「『ここに来れば何かある』と思えるような場所が理想」と語っています。
〈参照〉池袋のマツキヨが「アミューズメント」化! 男性向け化粧品を強化した“体験型店舗”に 実際に行ってみた/ITmediaビジネスオンライン