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ライブコマースを活用した「ほぼ24時間営業」という小売店の生き残り戦略

広報部

2021.01.19

小売業界は新型コロナウイルスの影響を最も大きく受けた業界の一つです。日本だけでなく世界に目を向けてみても、多くの小売店が閉店する可能性が高いと見られています。そんな小売店が生き残るために必要なことは何でしょうか。

今回は、今後小売店が生き残るための鍵となる「ライブコマース」について紹介します。

数字で見るアメリカの小売店の実情

Retail Diveの調査によれば、2020年5月時点で年内に1万5,000店もの小売店が閉店する可能性があるとの予測を発表しており、USA TODAYでは2025年までにアメリカでは10万店もの店舗が閉鎖される可能性があると伝えています。

アメリカではコロナ以前は約45%のブランドがAmazonで商品を販売しておらず、30%以上のブランドは顧客にリーチする上でAmazonを必要としていないと答えていました。しかし、コロナ流行によって今まで売上の大半を実店舗に頼っていた大手ブランドでさえも、Amazonを販売店の一つとするようになったのです。

参照元:15K stores could permanently close in 2020, Coresight says(RETAIL DIVE)

参照元:100,000 retail stores could close by 2025, accelerated by COVID-19, analysts say(USA TODAY)

Amazonに頼らないチャネルの鍵「ライブコマース」

これまで、多くのブランドがAmazonを利用しなかった理由としては、Amazonが自社のマージンを圧迫して貴重な顧客データを収集し、最も人気のある商品をコピーするのではないか、という懸念があったからでした。

しかし、自社ECの改善によってオンライン売上を強化しようとしても、Amazonへの勝算はほとんどありません。そこで注目されているものが「ライブコマース」です。ライブコマースはインターネットを活用したテレビショッピングのようなものであり、リアルタイムに双方向のコミュニケーションを実現できるメリットがあります。

また、Amazonを含むGAFAはIT産業における最大かつ最も支配的な企業ですが、これらの企業が進出していない市場の一つがライブコマースであり、新たな販売チャネルとして注目されているのです。

ライブコマースなら「ほぼ24時間営業」の越境ECが可能に

国を超えたEC形態である越境ECですが、ライブコマースであれば「ほぼ24時間営業」の越境ECが実現できます。実際に、現在はクローズしていますがアメリカ拠点のライブストリーミング越境ECサービス「ShopShops」では、ニューヨークの店舗から中国市場向けに洋服を売るライブ配信コマースサービスを展開していました。

そのライブ配信では、平均2万弱のユーザーがリアルタイムに動画を視聴し、1店舗のイベント売上平均は6,000ドル(約62万円)であったとのこと。中国ではライブコマース市場は急成長を続けており、今後は新たな販売チャネルとして定着すると予想されます。そして、日本においてもライブコマースは注目されており、その市場は成長することが予想されます。

今後、小売店では店舗の価値を最大限に活用する事が重要になるでしょう。その方法としてライブコマースが利用でき、ShopShopsのように越境ECで時差を利用して店舗からほぼ24時間運用の形でライブ配信を行えば、日本にいながら世界中に商品を販売することも可能になります。

実店舗に人が集まらないのであれば、人が集まる場所に積極的に展開する、という考え方が今後最も求められることではないでしょうか。

〈参照〉小売店+ライブコマースーーwithコロナの生き残り戦略は“ほぼ24時間営業”の越境EC店舗/BRIDGE

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