登山・アウトドア用品専門店を運営する好日山荘は、2020年11月にデジタル施策の中核としてオールアウトドア総合型プラットフォームの「GsMALL」をオープンしました。アウトドア専門店の老舗として、これまでにさまざまなデジタル施策を行ってきましたが、これらのDX推進の鍵として「アナログの価値」が挙げられています。
今回は、GsMALLの概要から、好日山荘が考えるDX推進におけるアナログの価値について見ていきましょう。
アウトドア専門店「GsMALL」とは?
GsMALLはメーカーなどが出店する形式のモール型のECサイトです。強みとする登山やクライミングなどを中心に166ブランドを展開し、対象ジャンルを広げながら20年末には225ブランドまで拡大する計画としています。
GsMALLは、好日山荘がこれまでに行ってきたデジタル施策であるネット上で接客するサービス「オンラインコンシェルジュ」や、YouTubeで新商品を紹介するライブ配信「アイテム解体新書」などのサービスをすべて内包するプラットフォームとして公開されています。
今後はライブコマースも展開していく予定であり、さまざまなアクティビティのガイドやインストラクター、宿泊施設を含む旅行事業者や各種協会との連携によって、アウトドア関連の旅行プラン予約などにも対応する予定です。
GsMALLでは「アナログの価値」を重視している
GsMALLは単純にアウトドア関連用品を展開するだけでなく、老舗ならではの専門スタッフの強みを最大限に活かすプラットフォームとして作り出されました。
好日山荘社長の池田慎吾氏は、「オンライン化やデジタルトランスフォーメーション(DX)化が進めば進むほどお客様との接点ではアナログ感が大事になる。サービスの裏側は徹底的にDX化して効率運用していくべきだが、ファンとの接点はあくまでも『人』。人は人についてきてくれる。お金では変えない専門スタッフの経験や知見を最大限に活かすことを考えている」とコメント。
好日山荘ではデジタルプラットフォームの強化を急いでいますが、重視していることは「アナログの価値」なのです。
単なる物販サイトではなく「メディア」を目指す
GsMALLは商品だけでなく、体験やサービスを含めてアウトドアの楽しさを提案していく「メディア」を目指していると語られています。池田氏は「総合通販がアウトドア用品の取り扱いを増やしているが、どんなアイテムを用意すればいいのか、どんなアイテムを使えばいいのか、デジタル化を進めてもそういった疑問はいままでのECでは解決できない」とコメントしました。
デジタルのツールをフル活用することで、アナログの情報をこれまで以上に広く多くの人に届けることを目指しているのです。
〈参照〉Yappli、好日山荘公式アプリを開発支援/店舗とECをシームレスにつなぐ、山好きのための販促支援アプリ/yappli