2020年12月18日に、近畿百貨店はあべのハルカス近鉄本店食品売り場において「PickGo 買い物」サービスを導入しました。新型コロナウイルスの影響による顧客の非接触ニーズの高まりに対応するためであり、近畿百貨店ではそのほかにもECサービスを充実させています。
今回は、PickGoの概要と併せて、近畿百貨店のECサービスの内容や活用事例を見ていきましょう。
「PickGo 買い物」サービスとは
PickGoはCBcloud株式会社が提供する買い物代行サービスです。顧客は自宅や外出先からスマートフォンのアプリ上で買い物先と購入商品を入力すると、自宅や指定の場所までプロのドライバーが24時間いつでも商品を届けてくれます。
ウーバーイーツや出前館といったデリバリーと同種のサービスであり、PickGoは最短1時間以内に商品を受け取ることが可能です。新型コロナウイルスによって非接触ニーズが高まるいま、デリバリーを活用する顧客は増えており、店舗まで遠い・車を持たないなどの買い物が不便と感じる顧客の負担を軽減できる方法として注目されています。
近畿百貨店でのPickGo活用事例
近畿百貨店では第1弾としてあべのハルカス近鉄本店の食料品売場を中心に導入しました。利用はあべのハルカス近鉄本店から半径20km圏内を配送先に登録した顧客に限るものですが、今後は対象売場や商品カテゴリを追加する予定です。
当日中に自宅に配送するサービスとしては関西の百貨店では初めての試みであり、今後のサービス拡充は地域経済の活性化にも貢献できると期待されています。
ECサービスを充実させる近畿百貨店
近畿百貨店ではPickGoの導入以外にもECサービスを充実させています。2020年2月以降に近鉄百貨店ネットショップでは、毎日使う日用品や食料品を取り揃えた「暮らしの必需品」ページを新設したり、Web物産展を開催したりとさまざまな取り組みを実施しました。その結果、上半期の国内EC売上高は前年比で75%増と大きく伸長しています。
2020年12月にもネットショップで特集ページを新設。そのなかには、各種メディアで人気の坂井宏行シェフ・イタリア料理の巨匠落合務シェフなどの有名料理人監修の惣菜や志摩観光ホテルなどの百貨店クオリティの冷凍食品約60種類を取り揃えた特集ページなどを公開しました。
2021年に入り、再び緊急事態宣言が発令されたことで消費の落ち込みが危惧されますが、ECサービスによって本格的な味を自宅で楽しめるように強化するなどの近畿百貨店の事例は、参考になるのではないでしょうか。