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プロントのアプリがもたらすオンラインとオフラインの融合による送客戦術

広報部

2020.10.20

いまや日本人の7割以上がスマートフォンを保有しており、スマホアプリを活用した販促活動は企業における一般的な活動の一つになってきています。企業においては、スマホアプリを使った実店舗への送客など、オンラインとオフラインの融合が課題の一つと言えるでしょう。

今回は、全国に展開するカフェチェーンであるプロントのアプリを使った送客戦術について見ていきます。

2018年にアプリ公開も当初は効果が現れなかった

プロントでは2018年6月にプロントのファンツールとしてアプリを公開しました。もともとポイントや割引などの特典がつくメンバーズカードを運用していましたが、顧客分析の結果ライト層を多く取り込む必要があることがわかり、ファンツールとなり得るアプリが必要という考えのもと生み出されたのです。

アプリ公開以前はデジタル施策による実店舗への送客が可視化できていませんでしたが、アプリによるクーポン配信を始めたことで店舗への送客が数値化されるようになりました。その結果、既存WebサイトやSNSでの発信においても「アプリへの送客」という役割が生まれ、運用がスムーズになったとのこと。

しかし、アプリを公開してから半年間はクーポンの利用数が想定よりも伸びず、目標の1割程度にとどまりました。ダウンロード数は目標の3倍強を達成したにもかかわらず、クーポンの利用が伸びなかった原因は「来店促進・新規ファン獲得」に向けたコンテンツの制作ができていなかったことが挙げられます。

来店促進・新規ファン獲得を目標にリニューアル

アプリのクーポン利用数を増やすべく、プロントではWebアンケートや社員インタビューを実施しました。その結果をもとにメニュー情報の充実やクーポンへの動線強化などのリニューアルを実施したのです。たとえば、ニーズの高かったメニュー情報やクーポンに遷移できるボタンを最も目に付きやすいトップ中央に配置したり、クーポンが使える商品や値段、使い方が直感的にわかるようなUIに改善したりしました。

その結果、リニューアル直後からクーポン利用数は改善したとのこと。現在は新型コロナウイルスの影響で実店舗への送客ではなく、アプリでテイクアウト限定のクーポンを配信したり、店舗の営業情報を随時更新したりと、アプリが顧客との関係を繋ぐ役割を果たせるように情報を発信しています。

オンライン上でいかに顧客とコミュニケーションをとるかが重要

新型コロナウイルスの影響を受け、今後は今まで以上にオンライン上でいかに顧客とコミュニケーションをとるかが重要になってきます。その手段の一つとしてスマホアプリを検討する企業は多いものですが、今回のプロントの事例は参考になるのではないでしょうか。

今では多くの企業がアプリを活用しており、そのなかで存在感を示すためには「ユーザーが発信したくなるコンテンツ」を作ることでしょう。YouTuberやInstagrammerなどのインフルエンサーの影響は非常に強く、同じ商品でも「誰が」紹介しているかによってその受け取られ方も大きく変わります。

企業にとってもオンライン上での顧客とのコミュニケーション方法は重要な課題の一つになりつつあります。

〈参照〉コロナ禍のプロントの戦略。店舗とファンをアプリでつなぎ、送客アップ/AgendaNote

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