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ネットスーパーで黒字化を続けるスーパーサンシが語る多くの企業が失敗する理由

広報部

2020.10.20

スーパー業界のなかでは、大手スーパーから次々にネットスーパー事業を開始しています。しかし、ネットスーパーは黒字化が難しく、成功している企業はあまり多くない現状です。そんななかでも、三重県を中心に食品スーパーを展開する「スーパーサンシ」では、ローカルスーパーでありながら大手スーパーを凌ぐほどのネットスーパーでの成功を収めています。

今回は、スーパーサンシが語る多くの企業がネットスーパーで失敗する理由や、スーパーサンシの成功の秘訣・取り組みについて見ていきましょう。

ネットスーパーは物流を自前で行うこと

ネットスーパーで黒字化するためには、リアル店舗と同じ発想で運営してはならないと語られています。その理由として、リアル店舗では客数や売上高の拡大によって固定費率を低減できますが、ネットスーパーではそうはいかないためです。

多くの企業では、ネットスーパーの物流を専門業者に委託することで物流コストがかかりすぎている現状にあります。配送費という変動費を考慮していないため、商品を1つ運んだ時点で損が出るケースがほとんどであり、このスタイルで売上高を伸ばせば赤字額が膨らんでしまうのです。

そもそも、リアル店舗ではある程度のセルフサービスが前提です。商品のピックアップから精算後の袋詰、自宅への持ち帰りなどは顧客によるセルフサービスによって行われています。しかし、ネットスーパーはこれらのセルフサービスを企業側がすべて行わなければならず、ネットスーパーの黒字化が難しい要因の一つとなっています。

物流を自前で行うことは当然として、従来のセルフサービス部分をある程度顧客に負担してもらうことが重要なのです。

スーパーサンシの取り組み

スーパーサンシでは、リアル店舗のセルフサービス部分を定額の月額登録料として回収しているといいます。また、物流を自前で行うだけでなく、配送効率を高める工夫として会員宅に商品保管庫という宅配ボックスを無料で設置。ドライバーはそこに荷物を入れて回るだけであるため、不在時の再配達も生じない仕組みになっています。

スーパーのリアル店舗と違うネットスーパーのあり方を把握し、それに則した対策を取ることでスーパーサンシは長年黒字を続けているのです。

スーパーサンシの今後の狙い

スーパーサンシでは2019年からネットスーパーのフランチャイズ事業を開始しました。一企業としてロイヤリティ収入を得る目的だけでなく、得られた収益をより充実した受注システムやアプリケーション開発に投資するためです。

今後はAIやAR(拡張現実)の技術が必要になることが考えられ、その場合は小規模な1社だけでは開発費がまかないきれない可能性があります。スーパーサンシではフランチャイズ事業からネットスーパーの次の未来を見据えているのです。

〈参照〉ネットスーパーで利益を出すのに、物流の自前化が必然の理由/Diamond Chain Store

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