2018年に経済産業省からDX推進ガイドラインが公表され、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業も多くなってきています。企業におけるDX推進では業務のIT化だけにとどまらず、企業文化や風土、業務の進め方などの根本的な改善が必要です。そのような改革を進めていくためには、企業内でしっかりとした組織づくりが欠かせません。
今回は、企業がDX推進で取り組むべき組織編成の3つのタイプについて見ていきましょう。
そもそも企業がDX推進する目的とは
DXはデジタル技術を浸透させて生活をよりよいものとする変革のことを表します。さらに、2018年に経済産業省が発表したDX推進ガイドラインの定義を参照すると、次のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
つまり、これからの時代を生き残るために、企業内にデジタル技術を浸透させて競争上の優位性を確立することが目的なのです。しかし、企業文化や風土などの変革は容易に行えるものではなく、そのために企業内に組織を編成する必要があります。
〈参照〉デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)を取りまとめました/経済産業省
DX推進で取り組むべき3つの組織編成タイプ
DXを推進する組織編成としては、大きく次の3つのタイプが挙げられます。
- IT部門拡張型:IT部門の機能を拡張してDXに取り組む
- 事業部門拡張型:事業部門がDX推進を主導し、IT部門が支援する
- 専門組織設置型:DX推進の専門部署を立ち上げる
このなかでも、多くの企業が採用している組織編成が「専門組織設置型」です。
IDC Japanの調査によれば、第2のIT部門としてDX推進を進める「専門組織設置型」が27.9%と最も多く、ついで組織横断プロジェクトが17.7%、「事業部門拡張型」が17.4%、「ITとして部門拡張型」が13.1%という結果に。
この調査結果から企業におけるDX推進では、専門組織を設置することが一般的であることがわかります。さまざまな業務をIT化することがDXと思われる方も多いものですが、実は専門のIT部門がDX推進を中核に対応することは多くないのです。
〈参照〉DXのリーダー組織は専任組織の「第2のIT部門」 DX人材の確保は共創が鍵――IDC調査/ITメディア
〈参照〉企業でDXを推進する組織づくりとは?3つのタイプを事例とともに考察します/マナミナ