駅構内の案内やオフィス・商業施設の案内などで導入が進みつつあるAIガイド。そんなAIガイドを行政窓口に導入する動きが見られています。群馬県の前橋市役所では、10月5日からAIガイドの実証実験が開始されました。新型コロナウイルスによって非接触ニーズが高まっているいまだからこそ、AIガイドの実用性が認められつつあるのです。
今回は、前橋市で導入されるAIガイドについて見ていきましょう。
全国初の行政窓口AIガイドの概要
群馬県の前橋市役所では、10月5日から高崎健康福祉大学と提携して窓口でAIを使った案内システムの実証実験を開始しました。導入する窓口は市役所1階のマイナンバーカード総合支援窓口であり、混雑時には1時間程度待つ必要がありましたが、待ち時間を短縮するための手段として期待されています。
AIガイドは来庁者に目的の聞き取りから始め、必要書類などの案内をして窓口の前に対応する「前さばき」役を担います。当分は1台のデジタルサイネージに女性キャラクターを表示させて対応しますが、今後は同様の機能を持つタブレット端末の配備を検討しているとのこと。10月22日までは職員や同大学の学生らによってキャラクターが操作され、質問例などのデータを収集する予定です。
その後、11月13日までにシステムを再構築し、11月16日からは自立型の対話AIを本格的に稼働させる予定としています。
AIガイドを導入する目的
同市役所では、キャッシュレス決済のポイント還元策「マイナポイント」の利用に際して必要なマイナンバーカードの取得による住民の混雑が課題となっていました。新型コロナウイルスの影響により非接触ニーズが高まる昨今、AIガイドを活用することで混雑の緩和・3密の回避に役立てられると考えられています。
さらに、AIガイドによって業務の効率化が行えることで、職員が別の重要な業務に携われるようになり、業務全体の効率化も期待できるのです。
ヒトとロボット(AI)が共存する未来はすぐそこに
現在の日本社会は常に人手不足の状況にあり、業務の効率化・省人化は企業における喫緊の課題の一つです。そのため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進がさまざまな企業で進められていますが、その対策の一つとしてロボットやAIが活用され始めています。
SF映画の世界では、ヒトとロボットが共存する未来が描かれていますが、現実のものになる未来はそう遠くないと言えるでしょう。