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会津若松市が進めるスマートシティ実証実験、オンライン診療やデジタル地域通貨など

広報部

2020.11.24

スマートシティはデジタル技術で都市機能や暮らしを向上させるものであり、国内では約160の地域でスマートシティ関連事業に取り組んでいます。そのなかから、今回は福島県会津若松市のスマートシティ事例を見ていきましょう。

オンライン診療で地域医療を支える

会津若松市では住民の同意を得た上でデータを収集し、活用するオプトイン方式を採用しています。さまざまなデジタル施策を実施していますが、そのなかの一つがオンライン診療です。

市内で老舗和菓子店を経営する50代の男性はパーキンソン病を患い、右の手足が動かしづらい状況で通院にも大きな負担がありましたが、オンライン診療によって身体的・時間的な負担が大きく減ったとのこと。

この男性の事例では、iPadを利用して約1年半前からオンラインでの診療を受けています。市内では約60人が同様に利用しており、医師は「画面越しに見える生活環境も診察のヒント」とコメントしています。

今後はAIによる解析によって認知症などの早期発見にも活かせる可能性があり、地域医療の次の段階を見据えているとのこと。

日本初のデジタル地域通貨「Byacco」の運用

市内の会津大学では、ソラミツ株式会社が開発したデジタル地域通貨「Byacco」が運用されています。Byaccoはブロックチェーンを活用した日本初のデジタル地域通貨であり、7月から大学内の食堂や売店で本格運用がスタートしました。

Byaccoはスマートフォンなどを利用して支払いを行うキャッシュレス決済の一種であり、個人間の取り引きにも対応しています。従来のキャッシュレス決済との違いについては、客が店舗で支払った後に店舗側はそのまま仕入れなどの他の用途に使用する「転々流通」が行えることです。

今後は大学外への普及を目指しており、使用可能エリアを広げていくこととしています。

ブロックチェーンを活用したデジタルクーポンによる集客

TIS株式会社のブロックチェーンを活用した観光客向けデジタルクーポンは、10月から試験運用が開始されました。観光客は事前にクーポンを購入し、会計時にはスマホのアプリから店側に画面を見せて確認してもらうだけで支払いが完了します。

この試験運用は「極上のはしご酒」キャンペーンで利用されており、参加する地元の飲食店で利用可能です。将来的には、会津若松市に訪れた際に現金を必要とせず、スマホだけで車に乗ったり泊まったり、食べたり、買い物ができる観光環境の構築に活かしたいと考えられています。

〈参照〉会津スマートシティーの挑戦 デジタルでクーポンや医療/日本経済新聞

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