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デジタル化の難しいインドの零細商店から見るデジタル化の3つの施策

広報部

2020.11.24

インドでは昔ながらのアナログな運営を行なう零細商店「キラナ」が非常に大きな存在です。インドの小売業における売上の9割をキラナが占めており、新型コロナウイルスによってその存在感はさらに増しています。しかし、アナログな運営であるため売上などのデータ管理が難しいという課題があり、インド企業ではこの課題を解決するために3つの分野でデジタル施策を進めようとしています。

今回は、インドの零細商店キラナの現状から、デジタル化のための3つの施策について見ていきましょう。

インドの零細商店キラナの現状

インドの小売売上高の92%は、昔ながらの商店であるキラナが占めています。新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出を控えて地元のキラナで商品を購入する消費者も増えており、その存在感はさらに増しています。

インドのキラナのような巨大な市場は複雑で多くの課題を抱えていることが多く、今でも紙のノートなどで在庫や売上を管理しており、売れ行きや購買行動などを正確に把握することが難しい現状です。そのほかにも、店舗密度が高く、移り変わりが激しいため商品の供給が難しいなどの課題も挙げられます。

また、このような零細商店がオンライン販売を手掛けることほとんどありません。

キラナの経営改善に取り組む3つの分野

このような課題を解決するためにテクノロジー企業がキラナの経営改善に取り組む3つの分野として、次のものが挙げられています。

買付と調達

BtoB向けの専用通販サイトを展開。商店の仕入れを劇的に変える可能性を秘めている。

融資、POSツール

商店へのPOSシステムとあわせて融資を実施。決済のデジタル化にも力を入れている。

EC導入支援

SNSと組み合わせたソーシャルコマースプラットフォームの提供や配達スタートアップによる注文代替サービスの提供など。

これら3つの分野からキラナのデジタル化を進め、課題解決のための経営改善に取り組んでいます。

零細企業のデジタル化の先進例となる可能性がある

キラナのような新興市場のデジタル化により、世界的なブランドは恩恵を受けられます。流通を数字で測れるようになり、拡大しやすくなるためサプライヤーは零細店に商品を卸しやすくなるのです。加えて、デジタル化が進めば在庫の追跡やSNSと連動したECプラットフォームによって消費者を分析する能力も高まります。

キラナのデジタル化は零細企業のデジタル化の先進例となる可能性があり、デジタル化を支えるテクノロジーの成功事例を観察することで市場における自社のあり方が見えてくるようになるでしょう。

〈参照〉インドの零細商店をデジタル化する3つの方法/日本経済新聞

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