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日本のハンコ文化が終わる?進む「脱ハンコ」の流れとその実例

広報部

2020.11.02

日本ではさまざまな場面でハンコが用いられてきました。重要な書類には軒並み押印が必要でしたが、その文化が変わりつつあります。デジタル化が進む昨今、新型コロナウイルスの影響でテレワークの普及も進みましたが、ハンコ文化がその普及の足を引っ張ったケースも見られました。そんななか、政府は新たな「規制改革実施計画」を決定。その計画の中では社会全体のデジタル化を進めるために年内に押印が必要だった行政手続きの見直しなどを検討することを明記しています。

今回は、変わりつつある日本のハンコ文化について見ていきましょう。

令和2年規制改革実施計画の概要

2020年7月17日に閣議決定された規制改革実施計画では、230項目以上の規制緩和や制度の見直し策が盛り込まれており、そのなかに押印・書面規制の緩和が含まれています。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社会全体のデジタル化を進めるために従来は押印や書面の提出を求めてきたすべての行政手続きを年内に見直し、年度末までに改正することが盛り込まれているのです。

くわえて、民間の手続きについても金融機関の口座開設や融資の申込みで必要とされる書面や押印をなくし、電子化できるよう法改正を行なうこととしています。

原子力規制委員会で180件の押印廃止

これを受け、原子力規制委員会は10月7日の定例会で放射性物質を取り扱う企業や研究機関等にもとめている手続きの約180件で押印を廃止する方針を決定しました。原子力規制委員会で取り扱う手続きのすべてで押印を不要とし、オンライン上で手続きができるように「情報通信技術を活用した行政の推進に関する法律施行規則」を定めることとしています。

従来は病院や研究機関が検査などで使う放射性同位元素をめぐる手続きなどで押印した書類の提出を求めていましたが、それらを押印不要としてオンラインで手続きできるようになるのです。

福岡市では「脱ハンコ」が完了

福岡市では先んじて行政手続きに求めていた書面への押印を全面廃止しています。市が単独で見直せる約3,800種類の書類すべてで2020年9月までに廃止しており、これは手続きに使われる全書類の8割に相当するとのこと。

福岡市では2019年1月からこの取り組みに着手しており、1年9ヵ月で達成しました。手書きの氏名記入が本人確認として機能すると判断され、手続きのオンライン化に大きく貢献しています。

今回紹介した事例は一部ですが、日本でようやく脱ハンコが進みつつあります。今後も行政・民間企業ともこの流れは進むことが予想され、ハンコが不要となる未来はそう遠くないのではないでしょうか。

〈参照〉押印など行政手続きの年内見直し検討 実施計画を決定/NHK 政治マガジン

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