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日本のDX推進のために古き良き「ハンコ文化」からの脱却の時が迫る

広報部

2020.11.02

日本では重要な書類には押印が必要である場合がほとんどですが、世界的に見ると他に類を見ない独自の文化となっています。これまでの日本社会ではハンコは合理的な手段でしたが、変わりゆく時代の流れに合わせて、新たな合理性が求められています。

今回は変わりつつある日本のハンコ文化について見ていきましょう。

日本のトップも「脱ハンコ」を掲げる

2020年9月16日に発足した菅義偉内閣、新政権で初の規制改革推進会議が10月7日に行なわれました。そのなかで、菅首相はすべての行政手続きについて書面や押印を抜本的に見直すように指示し、行政のデジタル化を推進するよう求めています。

菅首相は「行政の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打ち破って規制改革を進めるために各省庁が自ら規制改革を進めることが必要だ」と呼びかけ、会議の中ではDX(デジタルトランスフォーメーション)を阻害する規制の改革や経済活性化に向けた制度改革も提起されました。

日本のトップも日本社会のDX推進のために脱ハンコを掲げているのです。

従来の合理性から新たな合理性への進歩の時

日本のハンコ文化はもともと独自の合理性のもとで活用されてきました。従来の商習慣・法制度・裁判凡例の3つが紐付いて、ハンコが便利で手軽な社会だったのです。ハンコが利用されるようになった明治時代では、識字率が低く筆記によるサインの浸透が難しく、押すだけのハンコの利便性が高かったことが普及の背景として挙げられます。

郵送・対面・物理主義に基づいた合理化によってハンコ文化は浸透しましたが、インターネットが普及することでその合理性は昔のものに。たとえば、契約書などの押印が必要な紙の書類では、契約の締結までに郵送・押印・返送などが必要であり数日を要します。しかし、インターネットを活用した電子契約では1日で完了するため、そのスピード差は明らかです。

新型コロナウイルスの影響でテレワークも普及しましたが、書類への押印が必要であるために出社を余儀なくされる例も見られ、現代における日本のハンコ文化の非合理性が浮き彫りになる形に。

DX推進のために脱ハンコは必要不可欠

「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であるDXを推進するためには、脱ハンコは必要不可欠と言えるでしょう。日本も国としてDX推進を掲げており、行政手続きでの書面や押印、対面の必要性を検証し、撤廃に向けた法改正が必要なものは2021年の通常国会で改正を目指しています。

くわえて、国だけでなく一般企業においても脱ハンコはすでに進められており、日本社会全体のDX推進の一手として、ハンコ文化の廃止が進められているのです。

〈参照〉首相「行政手続き全て見直し」 押印・書面廃止へ指示/日本経済新聞

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