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既設機器との融合で実店舗の次世代化を狙う「AI Search」

2020.03.31

現代の人工知能(AI)の発達は著しく、さまざまなサービスで活用されています。AIの活用は近年活発化していますが、導入のためには新規機器の導入などのコストがかかると考えていませんか?

今回ご紹介する「AI Search」は、センサーなどの新規機器は不要であり、既設の防犯カメラ映像を活用することが可能です。AI Searchの概要から、実店舗の次世代化について述べます。

防犯カメラの映像をAIで分析する「AI Search」

人工知能搭載カメラの開発、販売を行うアースアイズ株式会社では、実店舗の次世代化を後押しするサービスである「AI Search」の開発を進めています。「AI Search」は、防犯カメラ映像から顧客の行動や商品を検索・分析するサービスです。

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同プロジェクトである「五感AIカメラ開発」で得た知見を元に開発を進めており、実店舗経営を強力にサポートするサービスとなっています。

AI Searchでは、新規にセンサー等を設置する必要がなく、既設の防犯カメラの映像から来客数や特定の売り場への立ち寄り人数などの「運営指数」を定量的に把握可能です。

具体的には、既設の防犯カメラの録画映像をサーバーに送り、サーバー上でAIによって分析が行われる仕組みです。サービスの管理画面上で特定商品の前などのエリアを指定し、顧客の属性や滞在時間といった項目を選ぶだけで、数値化されたデータやヒートマップとして表示されます。

「AI Search」が狙う実店舗の次世代化とは

AI Searchが狙う実店舗の次世代化とは、実店舗でもオンライン店舗並に運営指数を定量化し、経営を効率化することにあります。

現状では、実店舗の状態分析は目視で行われており、多大な時間を要します。特定の売り場への立ち寄り人数や滞在時間などを定量的に把握することは、非常に困難であるといえるでしょう。

オンライン店舗では、顧客の属性や滞在時間などの運営指数は簡単に把握でき、顧客や購入履歴などの情報分析が行えます。そのため、顧客に合わせた経営戦略を立てやすいものです。

AI Searchでは、実店舗でもオンライン店舗のように情報分析を行い、経営を効率化することを狙っており、それこそが「実店舗の次世代化」なのです。

小売店だけでなくさまざまな用途への展開が期待される

AI Searchは2020年提供開始予定ですが、将来的には小売店だけでなく、介護施設や工事現場などでの活用を想定しています。業務改善や安全対策などへの展開を見込んでおり、単なる情報分析のソリューションにとどまらず、さまざまな用途への展開が期待されます。

政府が推し進める「働き方改革」のなかでも、労働生産性の向上が挙げられており、生産年齢人口が減少し続ける現代において、業務改善・労働の効率化は喫緊の課題です。

AI Searchのように、既設機器・サービスとAIとの融合といった事例は、これからも増えていくことでしょう。AIによる私達の労働環境の変革は、既に始まっています。

【参照】小売店の防犯カメラ映像から来店客の行動や商品を検索・分析するサービスを開発/PR TIMES

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