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タクシー運賃にもダイナミックプライシングが導入!その効果・メリットとは

広報部

2021.03.16

2021年2月22日の規制改革推進会議の作業部会で、河野太郎規制改革沿相はタクシー料金などの規制緩和を国土交通省に要請しました。天気や時間帯などの需要の変化に応じて運賃が変動するものであり、導入に際してさまざまなメリットが考えられます。

今回はタクシー運賃のダイナミックプライシング導入に関して、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚氏へのインタビューをもとにメリットやデメリットについて解説します。

タクシー運賃にダイナミックプライシングを導入する効果・メリット

タクシー運賃のダイナミックプライシング導入では、通勤時間帯や雨の日などは運賃を高く設定し、平日の昼間は安くするなどが想定されています。加えて、現在のメーター制に代わってGPSで走行距離を測る「ソフトメーター」も導入する方向で検討が進められているとのこと。

ダイナミックプライシングの導入に際しては、次のような効果・メリットが挙げられました。

  • 稼働していないタクシーの時間を短くできる
  • 客待ち時の無駄な燃料の消費の低減
  • ドライバーの待機時間の低減

など

長内氏は「環境負荷の低減やドライバーの勤務時間の改善というような、さまざまなメリットが出てくることが考えられると思います」とコメントしています。

ダイナミックプライシング導入によるデメリット・課題

反対に、ダイナミックプライシングを導入することによるデメリットや課題についても語られました。

「導入する地域とか、どういう人が利用するのかというのによって、事情がだいぶ変わってくると思います。車以外に移動手段が少ない地方ですと、高くても安くてもタクシーに乗らなければいけない場合があるかもしれない。ダイナミックプライシングは市場原理を導入するということなんですけれども、高くても安くても乗らなければいけない人がいるというのは、市場原理の他に必要なタクシーの需要ということになるので、そういう人たちのケアも考えなければならないわけです」

このような課題に対して、市場原理の外でサポートするような制度的な仕組みも同じく考えていく必要があると言われています。

年内をめどに制度設計が進められる

タクシー運賃のダイナミックプライシングが取り上げられた規制改革推進会議の作業部会では、タクシー会社が始業前に原則対面で行う運転手の点呼も、IT機器を使った遠隔での実施を可能にする検討も促しました。

国土交通省は年内をめどに制度設計を進める考えを示しており、早ければ今年中にタクシー運賃のダイナミックプライシングが始まる可能性があります。

〈参照〉タクシー運賃 ダイナミックプライシング導入へ 時間帯や天気に応じて/FNN プライムオンライン

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