関東地方を中心にホームセンターを展開するカインズは、2020年1月にデジタル戦略の強化に向けた新たな拠点として、都内にCAINZ INNOVATION HUB(カインズイノベーションハブ)を開設しました。カインズは2019年度から3カ年中期経営計画の戦略の柱の一つとして「デジタル戦略」を掲げており、同居点はそのための拠点として活用する予定です。
今回は、カインズイノベーションハブの概要と併せて、カインズが見据えるホームセンター業界の今後について紹介します。
カインズイノベーションハブの概要・開設した背景
カインズイノベーションハブは、東京都内の表参道に開設されました。カインズの本社は埼玉県本庄市にあり、主に次の3点を踏まえて都内に拠点を解説することを決めたとのこと。
- 東京から通勤する場合の距離や時間の問題
- デジタル戦略のスピードアップ
- デジタルの専門知識、経験を持った人材を確保すること
同拠点は3階建てで2階と3階はオフィスとして利用を開始しており、1階は今後カインズブランドを情報発信していく場として検討されています。また、カインズが掲げるデジタル戦略において、デジタル・アドバイザリーボードの設置や、米国シリコンバレーでのCVC設立など、国内外における最先端のテクノロジーを享受できる体制を整えているとのこと。
カインズが見据えるホームセンター業界の今後
カインズは自らをホームセンターと捉えず「IT小売企業」として、お客様の「ストレスフリー」「パーソナライズ」
「エモーショナル」につながるお買い物体験の価値向上を進めています。カインズが自らをIT小売企業とする背景には、昨今のホームセンター業界の状況について危機感を持っているからでしょう。
カインズによれば、ホームセンター業界は10年以上横ばいの状況が続いており、商品を販売するという役割だけでの店舗戦略では成長に限界があると分析しています。価格競争や他店のレイアウトを模倣するような手段でパイを奪い合うのではなく、「IT小売企業」としての立ち位置を目指して競争優位性を確保することを目的としているのです。
実際にカインズは、顧客が自社通販サイトで注文した商品をQRコードなどを活用して店舗で受け取ることができる店内設置型のロッカー「CAINZ PickUp Locker」のサービスを開始するなど、実店舗とECの融合に向けた取り組みが進められています。
〈参照〉カインズがデジタル戦略を強化、新拠点「CAINZ INNOVATION HUB」を表参道に開設/FASHIONSNAP.COM