〈画像〉はぎもの舎より
2019年6月に広島でバーチャルYouTuber(VTuber)を用いた集客実験が行われました。実施した株式会社萩原は、創業127年のインテリア・家具メーカーの老舗です。インターネットの世界だけでなく、テレビの世界でも活躍する機会が多くなってきたVTuber。
今回は、萩原が実施したVTuberによる集客について紹介します。
萩原が実施したVTuberによる集客手法
萩原は、広島県広島市にあるアウトレットモール「ジ アウトレット広島」に出店しているインテリアショップ「はぎもの舎」にて、VTuberによる店頭集客を行いました。
はぎもの舎では、いかに買い物客の足を止めるかが課題となっており、リアル店舗の強みである「商品に直接触れることができる」体験を提供するためにも、買い物客に来店してもらう必要がありました。
そこで、アウトレットモールに訪れる通りがかりの買い物客に足を止めてもらうために、ターゲットに親子連れを設定。子供の興味をひいて親子で足を止めてもらい、商品に触れてもらおうと考えたのです。
はぎもの舎で接客を行ったVTuber「みみたろう」さんは、「ふわふわいきもの」を名乗るキャラクターであり、子供の興味を引きやすいキャラクターです。みみたろうさんによる接客は、日にちを限定して2時間行われましたが、1時間45分ほどは客足が途絶えることがなかったといいます。
VTuberはAIなどによる自動応答ではないため、柔軟なコミュニケーションを取ることが可能です。興味を持って積極的に話しかける子供がいたり、その姿を遠巻きに眺める人もいたりしたことから、十分な集客効果が得られたといえるでしょう。
VTuberとは
VTuberは、外見がコンピュータグラフィックスのキャラクターであるYouTuberです。見た目はアニメキャラのように見えますが、その中身は人間であるため、柔軟なコミュニケーションを取ることができます。また、キャラクターを動かすためにモーションキャプチャなどを用いているため、人間の動きがキャラクターに反映されます。そのため、キャラクターでありながら実在するように見えるのです。
VTuberとしては「キズナアイ」が最も有名であり、テレビに出演したこともあるためご存じの方もいるのではないでしょうか。
現代ではテレビよりもYouTubeを観るという人も多く、若年層ほどその傾向にあります。VTuberは単なるサブカルチャーにとどまらず、テレビに出演する芸能人と同等以上の人気・知名度を持つ職業として成り立ちつつあるのです。
リアル店舗の新たな集客手段となるか
VTuberによる集客は、芸能人やきぐるみのキャラクターで集客する従来の手法と同じもの。Webカメラなどを利用して直接顧客と会話することができるため、遠隔地から接客することが可能です。
その場にいるわけではないため、握手などのコミュニケーションが取れなかったり、現地でサポートする人員が必要になったりとデメリット面もありますが、今後のノウハウ蓄積による展開が期待されます。
テレビ出演する有名人に会うために来店することがあるように、ネットで有名なVTuberに会うために来店する顧客が登場する未来はそう遠くないでしょう。 〈参照〉バーチャルYouTuberが接客 創業127年の老舗・萩原が挑む、新世代の集客術/#SHIFT