〈画像〉クックパッドマートより
クックパッドが運営する生鮮食品EC「クックパッドマート」では、受取場所に生鮮宅配ボックスが指定できます。2020年2月27日から、東京メトロの半蔵門大手町駅に生鮮宅配ボックスが初めて駅構内に配置されました。
今回は、クックパッドマートの概要とあわせて、クリック&コレクト型サービスについて触れていきます。
生鮮食品EC「クックパッドマート」とは
クックパッドマートは、地産地消型の生鮮食品ECサービスです。専用スマホアプリを通じて商品を注文し、「マートステーション」と呼ばれる生鮮宅配ボックスで商品を受け取る仕組みとなっています。
従来のECショップとは異なり自宅で受け取ることはできませんが、送料無料で1品から注文することができ、購入者のライフスタイルの多様化にあわせたサービスとなっています。受取場所となるマートステーションから半径2~30kmの範囲にある販売店や、生産者の商品を注文することになるため、新鮮な食材をスマホアプリから簡単に注文することが可能です。
また、クックパッドマートでは配送日の朝8時までに注文することで、当日配送を実現しています。今回の駅構内へのマートステーション配置により、出勤前に注文して帰宅時に商品を受け取る、といったことがより簡単に行えるようになりました。
クックパッドマートでは、宅配ではなく拠点へのルート配送を採用しているため、自宅不在による再配達が発生しません。そのため、配送効率が高い配送モデルを実現しているのです。
クリック&コレクトサービスは海外では標準になりつつある
クックパッドマートはクリック&コレクトサービスです。クリック&コレクトとは、ECサイトで商品を注文・購入し、リアル店舗や宅配ボックスなどの自宅以外で商品を受け取るショッピングスタイル、仕組みのことを表します。
クリック&コレクトは、オンラインとオフラインの融合を実現する仕組みの一つでもあります。配送コストや受取スピードなどのメリットから、小売業を中心に注目を集めているものです。
海外に目を向けてみると、クリック&コレクトはもはや標準になりつつあることがわかります。北米では小売業の62%がクリック&コレクトを導入しているとされており、非常に普及が進んでいます。
さらに、アメリカのクリック&コレクトによる購入者数は、2020年末までにアメリカ人口の約半分を占める1億3,770万人に達すると予想されているのです。
また、イギリスでも2017年時点で、約半数の購入者がクリック&コレクトを過去1年間に利用したと回答。購入者は配送手数料が掛からないことや、確実に受け取れることに大きなメリットを感じています。
日本では、ビックカメラが「ネット取り置きサービス」としてすでに導入済みです。クックパッドマートのマートステーションのような宅配ボックスが普及すれば、さらに多くの企業でクリック&コレクトの導入が進むのではないでしょうか。
参考:Consumers Continue to Be Enticed by Click and Collect(eMarketer)
参考:JDA&Centiro Customer Pulse 2017(JDA)
〈参照〉東京メトロ/生鮮食品EC「クックパッドマート」の駅構内受け取り開始/流通ニュース