
ネット通販の最大手であるAmazonは、2020年2月25日にレジなしの食品スーパー「Amazon Go Grocery(アマゾン・ゴー・グローサリー)」をオープンしました。同社のレジなしコンビニ「Amazon Go」をスーパーに転用した形です。
今回は、Amazon Go Groceryの概要から仕組み、小売のデジタル化について触れていきます。
「Amazon Go Grocery」とは
Amazon Go Groceryは、AI(人工知能)技術を活用したレジのない食品スーパーです。同社が2018年から展開をはじめた、レジなしコンビニ「Amazon Go」の5倍ほどの広さの店舗となっています。
Amazon Go Groceryは、アメリカのシアトル市内に1号店をオープンし、一般的なスーパーが取り扱う青果や精肉、ベーカリー、乳製品、アルコール類、日用品など5,000商品ほどを販売。量り売り商品はなく、全て定貫売り(数量)の商品となっています。
Amazon Go Groceryでは、顧客は商品を選んだ後にレジで会計することなく退店することが可能であり、わずらわしいレジ待ちなどから開放され、自由で新しい購買体験を経験できます。
「Amazon Go Grocery」の仕組み

Amazon Go Groceryは、Amazon Goと同様に、専用のアプリをスマートフォンなどにインストールすることで利用可能です。入店時に専用アプリに表示されるQRコードを使って入店(チェックイン)し、購入したい商品を手にして退店するだけ。
精算はAmazonアカウントと連携したクレジットカードに、後ほど自動課金される仕組みとなっています。
店内には多くのカメラやセンサーが設置されており、顧客の行動を追跡しています。棚にも重量センサーが設置されており、カメラやセンサーで得たデータから商品の動きを把握し、AIのディープラーニングを駆使して正確に決済することができるのです。
入店後に商品を手にしてそのまま退店する「Just Walk Out」の先駆けとして成功したAmazon Go。そこで得た知見をもとに、店舗面積を広げて商品数を増やしたAmazon Go Groceryでも、店舗拡大を見据えています。
小売のデジタル化が急速に進んでいる

レジなしコンビニのAmazon Goは2018年にアメリカで登場し、現在では25店舗を展開中です。Amazon Go Groceryも1号店で得た知見をもとに、店舗を拡大していくことでしょう。
レジなしスーパーが登場することにより、競合スーパーもレジ待ち時間を短縮するようなサービスや、ITの導入が進むとみられています。日本でもスマホを活用した「スマホレジ」の導入が進んでいたり、NTTデータがレジなしデジタル店舗出店サービスを提供したりしていることをご存知でしょうか。
レジに関することだけでなく、小売のデジタル化は世界規模で急速に進んでおり、新たな小売業界の姿が現れつつあります。
