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4つのトレンドから見る最新の店作りとは

広報部

2020.06.26

常に変動する社会情勢や消費者ニーズに対応するために、小売店などではニーズに合わせた店作りが欠かせません。今回は、2019年にオープン・改装した店舗のなかで、業界から高い評価を得た店舗を表彰する「ダイヤモンド・チェーンストア」の企画をもとに、4つのトレンドから最新の店作りを見ていきましょう。

トレンド1:大手小売業の新たな業態・フォーマット

2019年は大手小売業を中心に、新業態や新フォーマットの開発にチャレンジする動きが目立ちました。その一例として、セブン&アイ・ホールディングスの「コンフォートマーケット中延店」の事例を紹介します。

同店は「べんりでゆたか」という店作りのテーマをもとに、有名シェフ監修による惣菜や、高品質な冷凍食品の販売に挑戦しました。また、近年注目を集めている「BOPIS」のサービスである「FOOロッカーサービスを導入しています。このサービスは専用アプリで商品を購入し、店頭で受け取ることができるサービスです。

大衆向けのサービス展開を、消費者一人ひとりに焦点を当てて展開することで、消費者ニーズに応えようとしています。

トレンド2:ディスカウントストアの進化

2019年10月には消費税が10%に増税され、消費者の節約志向が予想されました。そこで、消費税増税を商機にしようとディスカウントストアの「ビッグ・エー足立扇店」が、2019年7月に改装オープンしています。

同店では定期的に品揃えを変え、求めやすい価格でありながら利便性の高い小型家電や日用雑貨などを販売する専門コーナーを設置。いつも「新しい発見」のある店を目指して、ディスカウントストアのイメージを払拭する店作りに取り組んでいます。

近年、欧米で勢力を拡大している「アルディ」「リドル」の様に、低価格なだけでなく高品質な商品・サービスを提供する動きが、ディスカウントストアにも求められているのです。

トレンド3:スマートストア開発

スマートストアとは、AI(人工知能)などのIT技術や機械化などが進んだ次世代のストアを表します。日本では人手不足が深刻化しており、業務の効率化は喫緊の課題といえるでしょう。そのため、小売店などでもデジタル化が求められているのです。

そんななか、2019年4月にトライアルホールディングスの「メガセンタートライアル新宮店」は、食品・医療・家電・住居関連商品を揃えた大型スマートストアの1号店として改装オープンしました。同店では1,500台のAIカメラを設置し、AIカメラのデータ解析を活かして商品の欠品を効率的に防止することが可能とのこと。

また、200台のデジタルサイネージも設置しており、顧客に応じた商品広告を映し、売り場での提案力も高めています。

トレンド4:他業態による「食」の強化

ドラッグストアやホームセンターなどの他業態による食品を強化した店舗の出店が増えてきています。「無印良品京都山科」の事例では、素材の「加工」にこだわる地域の専門店をテナントとして誘致し、ともに食品売り場とフードコートを作り上げました。

「地域の暮らしの拠りどころ」を目指し、地元企業や生産者と協業することで、地元の生産者と消費者の接点づくりに力を入れています。一般的に「食」に無関係な他業態が、食品を強化した店舗を作り上げており、提案のノウハウを着実に蓄積しているとのこと。

「食」は消費者の日常的な来店動機を生み出せるため、他業態でも積極的に強化されているのです。

〈参照〉3分でわかる!最新の店づくりの4つのトレンドとは!?/DIAMOND Chain Store

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