三井住友海上火災保険株式会社は、2016年10月から働き方改革に着手していました。その手段の一つとしてテレワーク・在宅勤務制度を導入しており、そのノウハウによって今回の新型コロナウイルスにおける対応でも成果が得られています。4月に緊急事態宣言の対象地域が全国に広がった際には、出社する社員の割合を2~3割に抑え、7~8割の社員が在宅勤務を行うことになりました。
今回は、三井住友海上の事例からテレワーク成功の秘訣を見ていきましょう。
初心者でもテレワークに取り組めるようにチェックリストを作成
テレワークを初めて行う人は、そもそもはじめ方がわからない、という場合が多いものです。そこで三井住友海上では、「在宅勤務 効率アップのポイント」という文書を作成して従業員に展開しました。
そのなかでは、「事前準備のチェックリスト」「在宅勤務の心構え」「在宅勤務者の義務と上司の責任」などが盛り込まれています。なかでも「事前準備のチェックリスト」は、初めてテレワークに取り組む人でもチェックリスト形式で環境を整備できるように作られています。
自社のイントラネット内に存在するExcelファイルなどの情報へのリンクをチェックリストに取り入れることで、手続きや手順の詳細をすぐに把握できるように作られているのです。
「会社でないと仕事はできない」という固定観念を払拭
テレワーク・在宅勤務を行ったことのない人のなかには、「会社でないと仕事はできない」と思い込んでいる人がいます。そこで、三井住友海上では在宅で行える業務例を一覧表でまとめ、在宅勤務でできる仕事のイメージを共有しています。
上手にテレワークを行うためのポイントとして、一日の流れと注意点をタイムスケジュール形式でまとめた資料も用意したとのこと。同資料を見れば、テレワーク・在宅勤務のイメージを共有することができるのです。
さらに、在宅勤務が長期化することで起こる可能性がある「在宅勤務疲れ」を回避するポイントも盛り込まれており、固定観念を払拭するための資料がしっかりと用意されています。
マネジメント層の意識改革
テレワーク・在宅勤務の実施において、マネジメント層の意識改革は必要不可欠です。なぜなら、マネジメント層が在宅勤務に拒否反応を示すと、その組織でテレワークが広まらないからです。
三井住友海上では、本部長や部長に向けての説明会を実施し、そのなかでテレワーク推進の重要性を伝えてきました。そして、部長が講師となり、課長に向けたマネジメント研修も実施しています。組織としてトップダウンでテレワークにかかわる意識改革を行ったのです。
三井住友海上では、2016年から実施してきたテレワークのノウハウを他にも持っています。テレワークの成功事例として、これから導入を考えている企業は三井住友海上の成功の秘訣を真似してみてはいかがでしょうか。