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アパレル業界で広がりつつある「オムニチャネル接客」とは?

広報部

2020.04.15

近年の消費者の購買行動は非常に多岐にわたります。従来は店舗からの購入経路(チャネル)しか存在していませんでしたが、現在ではECショップの台頭により、インターネットを使った購買行動も一般的になりました。そんななかで、アパレル業界では「オムニチャネル接客」が注目されています。

今回は、オムニチャネルの概要から、オムニチャネル接客の概要とメリットについて解説します。

そもそも「オムニチャネル」とは?

オムニチャネルとは、リアルとネットを融合しようとする試みです。複数の販売チャネルを活用する「マルチチャネル」の進化系として、近年注目を集めています。

近年では、消費者にとって商品を購入する場は店舗だけではなくなりました。ECショップの台頭により、店舗のみを経営する企業は売上が低下するなどの影響を受けたほどです。少し古いデータですが、2013年に調査された結果では、海外のデータと合わせてEC市場の拡大とともに実店舗の売上が低下していることがわかっています。

このことからも、多様化する消費者ニーズに応えるために、オムニチャネルは今後の店舗経営にとって必要不可欠なものといえるでしょう。

参照元:Eコマース市場の拡大と小売業への影響(日本政策投資銀行)

「オムニチャネル接客」の概要とメリット

オムニチャネル接客は、従来店舗でのみ行っていた接客をリアルの垣根を超えてネットの世界でも実現しようとする試みです。近年では、YouTubeやインスタグラムなど、誰もが簡単に情報を発信できます。それらのチャネルを使って接客を行うことがオムニチャネル接客です。

店舗での接客では、空間的な制限や時間的な制限があります。しかし、オムニチャネル接客ではそれらの制限をすべて解決することが可能です。

たとえば、YouTubeで販売員が商品を紹介し、インスタグラムなどに商品写真を公開、そこからECサイトへと誘導する、といった新たなチャネルが作り出せます。イメージとしては、テレビショッピングをイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。

しかし、テレビショッピングとは違い、簡単に動画を残しておけるため、消費者は自身のタイミングで視聴できるというメリットがあります。

また、どの販売員が売上を伸ばしているかといった統計も取りやすく、販売員の評価基準として利用することもできるため、販売員のモチベーションアップにも繋げられます。

店舗の役割が変わりつつある

従来の店舗は販売の主戦場でした。しかし、オムニチャネル接客によって主戦場をネットに移し、ブランドイメージの宣伝・広告の場として、ショールームのように店舗を活用することも可能となります。

オムニチャネルによるリアルとネットの融合は、従来の販売方式を大きく変え、店舗の役割まで変える可能性があるものです。多様化する消費者ニーズに対応するためにも、オムニチャネル化・オムニチャネル接客は今後の主流となるのではないでしょうか。

〈参照〉なぜ、アパレルで「オムニチャネル接客」が生まれたのか?/商業界online

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