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コロナの影響下で売上を伸ばす企業の動向とは

広報部

2020.07.17

新型コロナウイルスによって多くの企業が影響を受けているなか、好調に売上を伸ばしている企業が存在します。現在売上を伸ばしている企業は、アフターコロナにおいても今後伸びていくと予想されており、そんな企業の動向を把握することでアフターコロナ対策の参考にできるのではないでしょうか。

今回は、コロナの影響下でも売上を伸ばしているニトリ、コスモス薬品について紹介します。

増収増益を達成し続ける「ニトリ」

ニトリホールディングスは、ソファーやテーブルなどの大型家具から、カーテンや食器・家庭用品などのインテリア用品まで提供しているホームファニシングの最大手です。

そんなニトリは2020年2月期決算で33期連続の増収増益を達成しており、コロナ影響下の2020年5月の既存店売上高は前年同月比0.6%増と伸びています。さらに、客数は6.7%増と大きく伸びており、好調であることがわかります。

家具やインテリアは不要不急の商品であるため、コロナによって経営に打撃を受けていると思われがちですが、実はそうではないのです。また、コロナ影響下でもニトリの株価は上昇しており、5月1日に1万6,440円、6月10日には1万9,320円となり、約1か月で17.5%も上昇しています。

ニトリ会長の似鳥昭雄氏は、「アフターコロナは建築費が低下し、土地の価格も場所によって1~3割下落する。またEC化率は欧米に近づき2桁になる」と発言しました。ニトリでは物流拠点や出店用地を取得し、海外にも60店を出店する計画を立てています。

関東への進出を開始した「コスモス薬品」

コスモス薬品は福岡県・九州を中心に展開するドラッグストアチェーンです。関東への出店がほとんどない状態で売上を伸ばし続け、ドラッグストアのなかでも上位に位置する企業となっています。

コスモス薬品では、ドラッグストアでありながら豊富な食品の品ぞろえが強みであり、4月の既存店売上高は前年同月比17.5%増、5月も15.2%増と好調です。

しかし、2021年に予定されているマツモトキヨシとココカラファインの経営統合によって、コスモス薬品の地位が危ぶまれることが予見されています。そこで、コスモス薬品では2019年から関東への進出を視野に入れ、都内にお試し店舗として小型店を出店し始めました。

そのノウハウをもとに、コスモス薬品の主戦場とする郊外立地にも本格出店を開始しています。茨城県内に「堀町」「ゆめみ野店」「龍ヶ崎店」を出店し、埼玉県で「せんげん台店」をオープンする予定です。コスモス薬品の関東進出によって、近隣スーパーやコンビニは大きな影響を受けることが予想されます。豊富で安価な食品を販売するコスモス薬品が、直接的な競合企業となり得るのです。

コロナ影響下でも好調な企業は、アフターコロナでも伸び続けることが予想されており、競合となりえる企業にとって、これらの企業の動向は注視する必要があるといえるでしょう。

〈参照〉アフターコロナの小売像その7 ニトリ、コスモス……勝ち組がさらなる勝ち組に?/DIAMOND Chain Store

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