三越伊勢丹ホールディングスは、2020年6月5日から自宅にいながらオンラインで接客を受けられるサービスを順次開始することを発表しました。このサービスは伊勢丹新宿店のランドセルを対象にZoomやLINEを使って接客を受けられるサービスです。
今回は、三越伊勢丹のシームレスサービスの概要とあわせて、これからの小売企業が求められることについて触れていきます。
三越伊勢丹「シームレスサービス」とは
三越伊勢丹が6月5日から開始した「シームレスサービス」は、伊勢丹新宿店のランドセルを対象としたサービスです。伊勢丹新宿店では新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ランドセルの販売を一部完全予約制としました。そこで顧客に安心してお買い物をしてもらうために、シームレスサービスを開始したのです。
LINE WORKSを利用したオンラインチャット相談では「伊勢丹新宿本店ベビー子供公式LINE」を友達登録することで利用できます。また、「おうち de 伊勢丹」をコンセプトに、Zoomを利用してランドセルの選び方などを販売員に直接相談できるオンライン接客が用意されています。
シームレスサービスの今後の展望
今回のシームレスサービスは試験的なものであり、今後は三越伊勢丹オンラインサイト・アプリを刷新し、2020年度中にはアプリからオンラインチャットサービスを利用できるようにする予定です。今度もオンラインによる接客を強化することとしており、ベビー子供カテゴリーのなかでお受験やギフトなどでもオンライン接客が受けられるようになります。
なお、現在でもお受験・ギフトなどのサービスはLINEを活用したオンラインチャット相談は可能です。今後は夏頃には婦人・紳士・リビングといったカテゴリーへの拡大も予定しています。
顧客に新たな購買体験を/小売企業が求められることとは
三越伊勢丹では今回のシームレスサービスだけでなく、オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐ新サービスとして「YourFIT365」も提供しています。YourFIT365は「自分にピッタリの一足が見つかる」をテーマとしたサービスで、デジタルを活用した足型計測や計測データに基づいたおすすめ商品がレコメンドされる仕組みです。おすすめされた商品は、いつでもどこでもECで気軽に購入することができます。
このように三越伊勢丹では顧客に新たな購買体験を提供することに注力しており、今後の小売企業に求められることを体現していると言えるのではないでしょうか。日々移り変わる顧客の購買行動に合わせて、最適なサービスを提供することは企業の生き残り戦略として非常に重要です。
今や7割以上の人がスマホを所有しており、コロナによって多くの消費者のECへの比重が大きくなりました。これからの小売企業にとっては、デジタル化・オンライン化を推し進めるなかで、顧客に新たな購買体験を提供していくことが重要になるといえるでしょう。