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オンライングローサリーを後押しするAmazonのミクロFC

広報部

2020.04.21

Amazonが食料雑貨チェーンのホールフーズ・マーケットを買収して久しいですが、買収によって食品を最短2時間で届ける「Prime Now」などのサービスを提供してきました。しかし、2019年7月にニューヨーク・タイムズ紙で、Amazonがホールフーズ・マーケットとは別のスーパーマーケットを開発中と報道され、徐々にその姿が明らかになりつつあります。

今回は、Amazonの新しいスーパーマーケットの概要に触れ、今後のオンライングローサリーの姿について見ていきましょう。

Amazonの新しいスーパーマーケットの概要

ニューヨーク・タイムズ紙でAmazonの新しいスーパーマーケットについて触れられたあと、2020年2月にブルームバーグとミディアムにて店内写真とフロアプランが公表されました。

そこでは、Amazonの新しいスーパーマーケットはミクロフルフィルメントセンター付きのスーパーマーケットになるのではないか、と言われています。

フルフィルメントセンター(FC)は、Amazon独自の配送センターのことであり、スーパーマーケットにFCを併設することで、オンライングローサリー売上拡大を目指しているものと考えられます。

既存フォーマットでの問題点

Amazonでは、すでにPrime Nowによってオンライングローサリーサービスを提供していますが、既存フォーマットにはいくつかの問題があるのです。

オンライングローサリーは、オンラインで顧客が商品を選択し、ショッパーと呼ばれるスタッフによって店舗内の商品をピックアップする仕組み。しかし、店舗が混み合うことでショッパーは店内を移動するだけで時間を取られてしまい、作業効率性が低下してしまいます。

さらに、オーダーが増加することでピックアップした商品を保管するためのスペースが足りなくなり、ショッパーは待機せざるを得ずにオーダーを消化できない、という問題もありました。

オンライングローサリー用のFCが無いホールフーズの店舗では、「店舗内での集荷時間の無駄」と「梱包と保管スペースの不足」がオンライン売上の足を引っ張っていると見られています。

オンライングローサリーの競争が激化する

既存フォーマットの問題を解決するために、ミクロFCは必要不可欠といえ、競合他社でもミクロFCのテストが行われています。Amazon以外の企業では, 自動倉庫システムを開発した企業と提携し、自動化ミクロFCを導入した企業も存在するのです。

自動化ミクロFCでは、ロボットがピックアップして箱詰めまで行い、従業員に運ぶ自動化が行われています。従業員は運ばれた商品をオーダーごとに梱包するだけです。従来の従業員が店内からピックアップする場合と比べて10倍早くなると言われており、Amazonだけでなくさまざまな企業がオンライングローサリーへの対策を行っているのです。

AmazonのミクロFC付きスーパーマーケットの登場によって、オンライングローサリーの競争はさらに激化することが予想されます。

〈参照〉どうなっている?「アマゾンのスーパーマーケット新フォーマット」/商業界ONLINE

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