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期限切れでも「食べられる」食品を販売するフードロス削減ショップ「エコイート」

広報部

2020.04.30

食の安全に厳しい日本において「期限切れ」の食品を購入する機会はほとんどありません。食品を販売する小売業としても、そのような商品を販売することで信頼を損なう可能性があります。しかし、あえて期限切れの食品を販売する「エコイート」をご存知でしょうか。

今回は、エコイートの概要から必要とされる背景について紹介します。

フードロス削減ショップecoeat(エコイート)とは

エコイートはNPO法人「日本もったいない食品センター」によって運営されており、食品ロスを減らすことと、多くの生活に困窮する方を救うことを目的としたスーパーです。食品ロスとは、本来食べられるにも関わらず捨てられる食品のこと。

エコイートでは期限切れの食品を格安で販売することで、「エコ」と「格安」を両立しています。

ここで覚えておきたいこととして、食品の期限には大きく3つの期限があることをご存知でしょうか。

  • 消費期限:安全に食べられる期限
  • 賞味期限:品質が変わらずにおいしく食べることができる期限
  • 販売期限:賞味期限の残り3分の1となる期限

参照元:消費期限と賞味期限(農林水産省)

賞味期限が過ぎたとしてもすぐに味が変化するわけではなく、食べられる食品であることに変わりはありません。しかし、商品を販売する店舗では、販売期限をもとに廃棄処理を行うことが一般的であるため、より多くの食品ロスが発生することになっています。

エコイートでは一般的な小売店が廃棄する食品を仕入れ、販売しています。エコイートで取り扱う商品は、1~2割が賞味期限切れの商品、7割が販売期限切れの商品です。期限切れでも食べられる食品を通常の価格よりも大幅に安い価格で販売しています。

たとえば、東京都町田市の「エコイート町田店」では、2020年3月時点で賞味期限が2019年2月21日の450g入り天ぷら粉を、通常価格の9割ほど安い20円で販売していました。そのほかにも、チューブ入りおろししょうがは20円、とろろ芋の冷凍パックは100円で売るなど、格安で食品を購入することが可能です。

エコイートは、東京・大阪・高知・兵庫の1都1府2県で7店舗展開しているため、お近くにお住まいの方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。

日本では年間600万トン以上の食品ロスがある

エコイートが必要とされる背景には、日本の食品ロスの多さにあります。農林水産省によれば、平成29年度の食品ロス量は約612万トンと非常に多いことがわかります。

令和元年10月には、食品ロス削減を国民運動して進めるための「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されたこともあり、今後食品ロス削減は重要な課題となってくるでしょう。

エコイートでは廃棄予定の食品を一般消費者だけでなく、福祉施設や子ども食堂・生活に困窮する方にも提供しています。日本社会全体の流れを、大きく変える可能性を秘めているといえるのではないでしょうか。

〈参照〉食品ロス量(平成29年度推計値)の公表について(農林水産省)
〈参照〉「期限切れ」置くスーパー、安くてエコだから買いたい/日本経済新聞

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