TREND NEWS

流通・小売業の最新情報を発信しています

楽天と東急が共同出資/新設会社で通販と実店舗の購入データを活用

広報部

2020.09.07

2020年8月31日に、楽天と東急はネット通販と実店舗の購入データを活用する共同出資会社「楽天東急プランニング」を新設したと発表しました。楽天と東急それぞれの顧客から得られるデータを活用し、相互に集客できるような仕組みを作る予定としています。

今回は、新設会社「楽天東急プランニング」の概要とあわせて、楽天と東急が目指す未来について紹介します。

新設データ会社「楽天東急プランニング」の設立背景

楽天東急プランニングが新設された目的について、楽天の三木谷浩史会長兼社長は「オンラインとリアルの垣根はほぼなくなる。相互に送客し(消費者に)新しい体験を提供する」とコメントしています。楽天は1億人の会員と国内最大級の共通ポイントを持ち、東急は関東を中心にスーパーや百貨店を運営する企業であるため、膨大なデータの活用が可能となるでしょう。

新会社の設立に関しては、新型コロナウイルスの流行前から議論が始まっていたといいます。しかし、いまやネット通販と実店舗の明暗ははっきりと分かれている状況です。2020年4~6月期の楽天の国内ECの流通総額は前年同期比15%増ですが、東急の4~6月期のリテール事業の収益は前年同期比15%減となっています。

双方のデータを分析することで、店舗の不信を補うための販促などに役立てることとしています。

楽天と東急が目指す未来

楽天と東急は、双方が蓄積するデータを活用し、両社のマーケティングソリューションの強化や広告主企業に提供する広告パフォーマンスの最大化など、両社の資産を組み合わせたOMO(Online Merges with Offline)による新しい購買行動や購買体験の創出を図ろうとしています。

2020年9月からは、東急の食品スーパーから百貨店、ホテルなどで楽天のポイントカードを導入する予定であり、東急は楽天会員の集客だけでなく、両社の購買分析によって新たな商品提案、価格設定などの店舗づくりを進めます。

加えて、10月からは「東急ストア」などの東急グループの店舗において、消費行動分析データ活用による最適な販促情報の提供、品揃えの充実、価格設定の見直しなどの店舗運営力の向上に取り組む予定です。

さらに、11月からは両社のデータを活用したWeb広告の実験販売や両社の運用ノウハウを連携させたデジタルサイネージの実験販売を行うこととしています。

個人情報保護とデータ活用のバランスが課題となる

両社が蓄積するデータの活用によって、オンラインとオフラインを融合させた新たな店舗のカタチを実現しようとしていますが、今後は個人情報保護とデータ活用のバランスが課題となります。

2022年6月までに施行される改正個人情報保護法では、消費者が企業にデータの利用停止・消去を求める権利が拡大するため、楽天と東急は利用者視点での個人情報の保護や管理の新たな仕組みが求められることになるでしょう。

〈参照〉楽天と東急、データ新会社 通販・実店舗で相互に集客

PAGE TOP