イオングループのカジュアルファッション衣料専門店のコックスは、2021年9月10日にRFID棚卸を2021年度上期190店舗に拡大したことを発表しました。ICタグを利用したRFIDの活用によって、どのような効果を得られたのでしょうか。
今回は、コックスが実施したRFID棚卸の事例紹介と併せて、RFIDの今後について見ていきましょう。
店舗における棚卸しの課題とコックスの解決策
店舗における棚卸し業務は作業時間とコストが掛かる大きな業務の一つです。コックスにおけるこれまでの棚卸し作業では、商品1点1点のタグを機会でスキャンしており、事前準備・前日作業・当日作業と多くの時間と作業コストが掛かっていました。
そこでRFID棚卸を導入し、平均作業時間を15.7時間削減することに成功しています。RFID棚卸を導入したことで、事前の準備時間の削減・当日の作業時間やスキャン時間も一括読み取りによる大幅削減が可能に。
RFIDは商品を動かさずに一括で読み込めるため、商品の品質維持も実現できています。これまで棚卸しに使用していた時間を接客にあてることができ、より顧客に寄り添った店舗運営を行なうことが可能となりました。
IoT時代に注目されるRFID
RFIDは個品管理分野において、「あらゆる可能性を見出すことのできるデジタルテクノロジー」として注目されています。RFIDを利用すれば、物品一つひとつにICタグで固有のIDを与えて無線通信を介して読み込みや書き込みが実現できます。
これを活用することで生活空間情報の可視化や、どこにどの商品をどのくらい在庫しているのかを可視化する「スマートシェルフ」にも利用可能です。また、アパレル業界ではRFIDを活用したセルフレジも進められており、これからの時代になくてはならないものになるでしょう。
あらゆるモノがネットワークに繋がり、相互に通信するIoTの普及が進むなかで、RFIDの存在はより新しいサービスや顧客体験を実現します。コックスの事例はDX事例の一つとしても見ることができますが、同様にRFIDを活用した事例は今後も増えていくことでしょう。