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ミスタードーナツの事例から見るコロナ禍における「ハレの日」戦略

広報部

2021.10.27

コロナ禍で大きな変化を見せる飲食業界ですが、有名ドーナツチェーンのミスタードーナツは直近4年間で約200店舗も減少していることをご存知でしょうか。しかし、コロナ禍も相まって苦しい状況が続いていると見られがちですが、実は売上高は増加しています。

今回は、ミスタードーナツが実施するコロナ禍における「ハレの日」戦略について見ていきましょう。

4年で200店舗閉店も売上高は増加

ミスタードーナツの2017年3月期の国内稼動店舗は1,160店でしたが、2021年3月31日時点では961店舗にまで減少しました。4年で約200店舗も閉店したことになりますが、その要因として日常の食でないため市場が小さく、馴染まなかったことが挙げられています。

しかし、実はミスタードーナツの事業を継承しているダスキンの2021年第1四半期フードグループの売上高は、前期比30%増となっています。不採算店舗を閉めたミスタードーナツはコロナ禍にもかかわらず、売上高は上がっているのです。

SNSにおけるミスタードーナツの存在感が大きくなっている

店舗は減少しながらも売上高は上がっているミスタードーナツは、SNS上での存在感が年々大きくなっています。

ミスタードーナツに関するツイートを調べてみると、「ミスドにまつわるツイート」は年々増えていることがわかりました。さらに、その内容を深く見ていくと、「misdo meets」や「ポケモン」「ピエール・マルコリーニ」についての言及が直近2年間で増えていることがわかります。

misdo meetsはミスタードーナツと他社がコラボしてできた商品であり、ミスタードーナツはピエール・マルコリーニやポケモンとのコラボを行ってきました。ミスタードーナツは「日常にはなれなかった」ものの、「ハレの日」を増やし続けることで存在感を増しているのです。

「ハレの日」ニーズの高まりに合わせた戦略

SNSが普及し、特にInstagramの影響で「ハレの日」のニーズは高まっています。「映える日常」を求める消費者は、季節的な行事を超えてモーメントを生み出せるコラボに注目しています。

コロナ禍では外出自粛の影響で季節的なモーメントが得られづらく、ブランドコラボによる盛り上がりを求めている傾向にあるといえるでしょう。コロナ禍では外食機会が減少し、贅沢志向が高まっていることも報告されています。

ミスタードーナツはこのようなハレの日ニーズの高まりに合わせた戦略をとったことで、売上高を伸ばすことができていると考えられます。

〈参照〉ミスタードーナツ大量閉店から復活なるか? SNSで見る 「プチハレの日」量産作戦/Agenda note

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