スポーツ用品メーカー「アンダーアーマー」の正規日本ライセンシーのドーム社は、コロナ禍でリアル店舗の売上が下がるなかで、シークレットセールをオンライン化することで成功を収めました。この記事では、ドーム社がオンラインセールに移行することでどのような効果が得られ、どのように課題を解決したのかについて見ていきましょう。
シークレットセールをオンラインに移行した背景
ドーム社ではブランドの希薄化を解決するために「UNDRE ARMOR MAKES YOU BETTER」のミッションのもとで対策を進めていました。そんななか、新型コロナウイルスの影響によってデジタルシフトへの流れを加速させる必要があったとのこと。
コロナ禍以前では約半分がスポーツ量販店での売上であり、残りの半分は自社チャネルでの売上(うち10%がEC売上)でした。しかし、コロナ禍によってリアル店舗の集客が激減し、ECでの販売に注力する必要がでてきたのです。
ドーム社が抱えていた3つの課題
ECサイトの強化にあたり、ドーム社が抱えていた課題は次の3つです。
- サービスレベルの向上
- 直営店の会員とECの会員が別々に管理されている
- コミュニケーションレベルの向上
ドーム社のECサイトは大手ECサイトに比べると在庫数が見えにくかったり、配送に時間がかかったりと、路地ティクスを含めたプラットフォームの改善が必要でした。
また、近年ではデジタルマーケティングにおいて「ユニファイドコマース」というテーマが重要視されています。これはさまざまなチャネルを統合することでユーザーのデータを利活用し、最適なユーザー体験を提供することを表します。ドーム者では販売チャネルごとにユーザー基盤が異なっており、それも大きな課題の一つでした。
加えて、ユーザーごとのコミュニケーションの質・量をともに向上させる必要があり、最適なコミュニケーションを取れるようにする必要があったとのこと。
ユーザーとのコミュニケーションの積み重ねが重要
これらの課題に対し、ドーム社はアドビ社の「Adobe Experience Cloud」を活用しました。オンラインで開催するシークレットセールの申込数を最大化するためのメルマガ登録者の増加施策や、メルマガ会員に向けたシークレットセールの案内の実施などを行っています。
その他、申し込みフォームから登録したユーザーの興味のあるカテゴリーデータなどからクラスタリングし、顧客ごとに請求すべき商品のレコメーションデータを生成してレコメンドメールを送付するなど、多数の施策を実施しました。
また、UI/UXの改善のために数多くのA/Bテストを実施し、全施策の情報を見える化するなどの対応も実施しています。その結果、メルマガ登録ユーザーは10%増加、シークレットセールの参加者は34%増加、セール対象外商品の売上は200%アップしました。
デジタルマーケティングにおいて重要なことは、ユーザーとのコミュニケーションを重ね、ユーザー基盤を生かして高速なPDCAサイクルが回せるかどうかだ、と語られています。