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酒類提供店は大幅な売上ダウン-数字で見る9月の外食売上

広報部

2021.12.01

日本の外食産業を統括する日本フードサービス協会が公表した2021年9月の外食産業市場動向調査から、昨年・一昨年よりも厳しい業界の状況が見えてきました。その要因には三大都市圏などへの緊急事態宣言と全国各地へのまん延防止措置の延長があると見られています。

今回は、日本フードサービス協会が公表したデータをもとに、数字で2021年9月の外食産業の市場動向を見ていきましょう。

2021年9月の全体売上は前年同月比8.2%減

外食産業市場動向調査では、2021年9月の全体売上は外出自粛下にあった昨年同月と比べて91.8%で8.2%減少、コロナ前の一昨年比では78.3%という結果となりました。

2021年9月は緊急事態宣言やまん延防止措置による営業時間短縮と酒類提供制限の要請が続いており、全体売上が下がった大きな要因として見られています。特にパブ・居酒屋業態全体の売上は大きく落ち込んでおり、全体売上に大きく影響しています。

酒類提供制限が大きく影響

パブ・居酒屋業態全体売上は昨年同月比で19.6%、一昨年比では9.5%と深刻なほど売上が落ち込んでいます。業態別では「パブ・ビアホール」の売上は昨年比26.7%(一昨年比11.3%)、「居酒屋」の売上は昨年比16.8%(一昨年比8.6%)となりました。

11月25日に公表された2021年10月の調査結果では、業態全体売上は前年比69.2%にまで回復していますが、まだまだ厳しい状況が続いています。

このことからも、酒類提供制限の影響の大きさが見て取れるでしょう。さらに、在宅ワークが増えたことで法人利用も減っており、今後もこちらの影響は尾を引く可能性があります。

そんななかでも堅調なテイクアウト・デリバリー

酒類提供制限によってパブ・居酒屋業態は大きな影響を受けましたが、対照的に堅調な業態がファーストフード業態です。

ファーストフード業態の売上は前年同月比105.3%、一昨年比100.3%と微増しています。これらは、テイクアウト・デリバリー・ドライブスルー需要が堅調であることに加え、キャンペーンにより客数が増加したことも要因として考えられています。

飲食業界は環境が大きく変わる状況にあり、アフターコロナにおいても以前の状態に完全に戻るとは考えづらいといえるでしょう。テイクアウト・デリバリー・ドライブスルーはその利便性が再注目され、新しい生活習慣として多くの顧客の生活に取り入れられました。

今後、飲食業界で生き残るためには、変わりゆく顧客の需要に柔軟に対応する必要があります。

〈参考〉9月の外食売上、前年比91%と微減。居酒屋は“時短”影響で深刻な売上ダウン

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