従来は現金決済が当たり前でしたが、近年ではクレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済など、デジタル化が進んだことで決済方法は多種多様になってきました。そんななかで、Amazonは新たな決済手法として手のひらをかざすだけで決済が行える「Amazon Oneスキャナー」を開発しています。
今回は、Amazon Oneスキャナーがアメリカの大手スーパーWhole Foodsに導入されたことを中心に、新しい決済手法について見ていきましょう。
Amazon Oneスキャナーとは
Amazon Oneスキャナーは手のひらをかざすだけで決済が行える新しい生体認証デバイスです。買い物客の手のひらの特徴を把握し、個人を判別できるデバイスとなっています。
2020年秋には店舗に入るための生体認証デバイスとして発表されましたが、Amazon Goのようなキャッシュレスストアの決済システムに紐付けることができ、今回Whole Foodsで精算時の決済手法として加わりました。
アメリカの大手スーパーWhole Foodsに導入される
アメリカの大手グロサリーストアチェーンであるWhole Foodsに導入されたAmazon Oneスキャナーでは、顧客は登録の際に片方の手のひらか両方の手のひらを選択します。登録した手のひら情報は登録時にデバイスに挿入した決済用クレジットカードと紐付けられる仕組みです。
Amazonが認証に手のひらを採用した理由としては、非接触で実現でき、手のひらの画像から個人の身元特定は難しいため、一部の生体認証の代替手段よりもプライベートが確保される点が挙げられています。
また、Amazon Oneスキャナーによる決済時間は1秒未満であり、カード決済よりも格段に早い点が特徴です。Whole Foodsの担当者も「顧客のために買い物エクスペリエンスを改善すべく、新しくイノベーティブな方法を常に模索しています」とコメントしており、まさに最適なデバイスになっていると言えるでしょう。
日本では独自の形で実現する可能性も
実は日本でも2018年にイオングループで手のひらの静脈認証を使った決済サービスの実証実験が行われていました。こちらも1秒未満で決済ができますが、Amazon Oneスキャナーは静脈ではなく「手のひらの特徴」から個人を判別する点が違いです。
このように日本でも同じような技術が研究・開発されていますが、Amazon Oneスキャナーとは異なる独自の形で実現するかもしれません。Amazonのキャッシュレス店舗「Amazon Go」も日本では、株式会社TOUCH TO GOが会社と同名の店舗で同じような店舗を展開しています。
しかし、Amazon GoとTOUCH TO GOは似て非なる形式の店舗であり、Amazon Goを参考に日本独自の形で実現した例と言えるでしょう。このようにAmazon Oneスキャナーも日本では独自の形で実現するかもしれません。