DXを推進する上でDX人材の育成は欠かせません。データを活用する人材の必要性は企業内で日毎に増しており、DX人材の育成成否がDX推進の成否につながっているとも考えられます。
今回は、DX推進に欠かせない人材育成とその成功ポイントについて紹介します。
データ活用人材の育成における重要な視点
4万人以上の人材育成に携わってきた株式会社ブレインパッドの奥園朋実氏は、効果的なデータ活用人材育成を進める上で持つべき重要な視点として、「ビジネス課題に対してデータ分析で何を成し遂げたいかという視点・プランニングがまずは重要」と語っています。
同氏は「『ひとまずデータサイエンティストを育成したいのでなんとかしてほしい』と言われることがあるが、このケースは必ずと行っていいくらいに人材育成がうまく行かない」とも語っています。
現状のビジネス課題に対するデータ活用の方向性や、本来必要となる人材の定義の整理がデータ活用人材の育成において重要な視点となるのです。
DX推進における成功のポイント
株式会社ブレインパッドがサービスを提供した企業でDX推進が成功した企業の特徴としては、「DXにおけるデータ活用の重要性と必要性の理解度が高い」「人材育成をドライブする部署に権限と裁量が付与されている」などの特徴が挙げられました。
これらを含め、DX推進における成功のポイントとして次のような項目が挙げられています。
- DXとデータ活用で改善すべきテーマやビジョンが明確である
- 人材育成を推進する部門への必要な裁量(権限など)がしっかりと付与されている
- 自社のデータ活用推進状況に応じた人材育成の役割を明確化できている
- 専門のデータサイエンティストだけでなく、DX推進側・一般スタッフといったビジネスパーソン側も含めた人材育成にも着手している
- 人材育成に係る費用を将来に必要な投資と位置付けている
- 人材育成を推進に向け、DX推進部署と人事部の役割分担と連携ができている
加えて、データ活用人材の育成の企画・実行を担う部署は人事部ではなく、DX推進部署ということが成功している企業の共通事項と言われています。
いまや自社だけで研修などの人材育成を推進・提供することは困難です。DX推進を成功させるためには、パートナー企業との協力も必要となるため、人材育成と併せてパートナー企業選びにも注力する必要があるでしょう。
〈参照〉DX時代に不可欠な、データ活用人材を育成するコツとは~累計4万人以上の育成経験を通して見えてきたこと~/DOORS