コンビニ大手のローソンは、食品ロス削減に向けAIを活用した値引き販売の推奨実験を開始しました。この取り組みは東北地区の一部店舗で6月22日から開始されます。今回は、ローソンが実施するAI活用の値引き販売について詳しく見ていきましょう。
ローソンのAI活用値引き販売の推奨実験
ローソンのAIを活用した値引き販売の推奨実験は、弁当・おにぎり・寿司・調理パンのカテゴリーで実施されます。これらの商品は消費期限が短く、比較的商品ロスの発生リスクが高いためです。これらの商品において店舗ごとにその日の在庫数などの状況をAIが判断し、値引き額が表示される仕組みとなっています。
ローソンでは設立当初から店舗で自由に値引き販売が実施できるようにPOSレジに値引きシールが用意されていましたが、従来の方法では店舗ごとに値引き時間や値引き額、対象商品を決定していました。しかし、従来の方法は経験や勘に頼る部分が大きく、属人的な作業になってしまいます。
AIを活用することで、属人化の解消とともにより簡単で効果的な値引き販売が実施できるようになります。
日本における食品ロス量は年間600万トン
ローソンの今回の取り組みは食品ロスの削減を目標としていますが、実際に日本ではどのくらいの食品ロスが発生しているのでしょうか。
農林水産省の発表によれば、平成30年度推計値で食品ロスは年間600万トンにもなり、これは日本人一人あたりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じ量になるとのこと。
そもそも、食品ロスとは本来食べられるにもかかわらずに捨てられてしまう商品のことであり、多くのムダが発生してしまっているということです。
ローソンでは2023年度中に全店舗での導入を目指す
今回の実験は東北地区の一部店舗でのみ実施されていますが、その結果を踏まえてローソンでは2023年度中に全店舗での導入を目指しています。ローソンの2020年度実績では全体の約8割の店舗で値引き販売を実施しており、AIが導入されることでより効率的かつ効果的な販売が行われるようになるでしょう。
コンビニやスーパーなどを中心に食品ロスは問題視されており、ローソンの今回の取り組みは日本全体の食品ロス削減の足がかりとなるかもしれません。