世界規模で展開するAmazonは、倉庫でロボットを活用したオートメーションが進んでおり、新たに4つのロボットが仲間入りしています。倉庫オートメーションは業務の効率化が主な目的と思われますが、Amazonでは少し違った考えがあります。
今回は、Amazonの倉庫に新しく入った4つの新たな仲間の紹介と併せて、Amazonの倉庫オートメーションの目的や、今後の倉庫オートメーションについて見ていきましょう。
セサミストリートから名付けられた4つの新たな仲間
Amazonの倉庫に新しく4つのロボットの仲間が増えました。それぞれアーニー、バート、スクーター、カーミットと名付けられ、セサミストリートから名付けられたのではと考えられます。
- アーニー:カートの荷物を持ち上げるロボット
- バート:施設内を動き回り運搬を行なうロボット
- スクーター:AIで空きカートを集めて運搬するロボット
- カーミット:スクーターと同様だが、磁気テープ上を走るロボット
Amazonの倉庫は総面積が滋賀県の約17個分の広さがあり、倉庫スタッフは1日16km以上歩くなどと言われるほどの広大さです。これらのロボットによる倉庫のオートメーション化は業務の効率化のために必須と言えますが、Amazonでは効率化だけのためにロボットを導入しているわけではありません。
Amazonの倉庫オートメーションの目的は現場での災害を減らすこと
Amazonの倉庫では、2019年には深刻な事故が1万4,000件も報告されており、倉庫スタッフも過酷な状況で仕事をしていると言われています。
今回新たに導入されたロボットたちはカスタマーのためだけでなく、施設を安全に運営するためにも一役かってくれると語られています。Amazonでは2025年までに現場での災害を50%減らす目的のために新たにロボットを導入したのです。
具体的には、アーニーが登場したことで従業員は台を使って高いところの荷物を取らなくて良くなり、低いところは腰を曲げる必要もなくなったので事故防止や身体的な負担の軽減に役立っています。
スクーターやカーミットもAIによって動作しているため、空のカートを集める作業や運ぶ作業による従業員の事故防止に役立てられています。さらに、カートの収集という作業を減らすことで、従業員は頭を使わなくてはいけない作業に集中することが可能です。
倉庫オートメーション市場は2025年までに約3兆円規模に
株式会社グローバルインフォメーションが調査・発表したレポートによれば、世界における倉庫オートメーションの市場規模は2018年の130億ドルから、2025年までに270億ドル(約3兆円)に達すると予想されています。
新型コロナウイルスの影響によってECの需要も増しており、今後もAmazonでは倉庫オートメーションが進んでいくことでしょう。そして、Amazonだけでなくさまざまな物流の現場でオートメーションは拡大していくことが予想されます。