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老舗店はコロナ禍をどう生き抜いているか-千疋屋総本店の戦略

広報部

2021.07.07

1834年の江戸時代に創業した千疋屋。日本でも有数の老舗店ですが、コロナによって大きな影響を受けました。そんななかでも、千疋屋ブランドを守るべく様々な取り組みが行われています。今回は、千疋屋の大島有志生常務取締役のインタビューをもとに、千疋屋の現状と今後の対策・対応について見ていきましょう。

都市型店舗の売上は落ちたものの郊外型は伸びている

千疋屋もコロナの影響は大きく受けたものの、売上を伸ばしている部分もあるとのこと。

千疋屋では特にフルーツパーラーには大きなダメージがあったと語られています。しかし、銀座・日本橋・新橋などの都市型店舗の売上は落ちた一方で、玉川高島屋、浦和の伊勢丹、横浜高島屋などの郊外型・住宅型の店舗の売上は伸びており、個人消費比率も上がっているとのこと。

その理由として、消費者は外食をできない分、デザートにお金を使おうとする傾向があり、ちょっとした贅沢としての需要が高まっていると考えられています。

千疋屋がコロナ禍でも対応できた理由

千疋屋は果物の販売だけでなく、フルーツパーラーやケーキの販売、レストランなども行っていますが、さまざまな事業を行っていたことが功を奏したと語られています。「もしひとつに絞っていたら、売上も半分以下だったんじゃないかと思いますね」と大島取締役は語りました。

加えて、千疋屋のような贈答主体の商売はネットとの親和性が高く、インターネット販売の売上が大きく上がっている点もコロナ禍における対応策として有効だったとのこと。

千疋屋が考える今後の対策・対応

千疋屋では阪急百貨店と組み、ケーキの宅配を開始しました。現在は都内全域で日の丸リムジンによるタクシー配送を利用しており、千疋屋の果物を食べたいという消費者のニーズにマッチして予想以上に売れていると語られています。

大島取締役は「お客様が見せにくにくい状況の中で、いかにこちらからお客様に近づいていくか。(実店舗での提供に)近い形で果物を提供させて頂く機会を別の方法で考えた結果が宅配になったんですね」とコメント。

日本人の果物の一人あたりの消費量は他国と比べて多くなく、千疋屋としては果物の消費量を上げるために様々な取り組みを行っています。それこそが千疋屋としての使命であり、存在意義と考えられており、「ワンランク上の豊かさ」をキーワードにこれからも対応を続けていくと語られました。

〈参照〉コロナ禍を打破 創業187年目の千疋屋総本店が描く新戦略「いかにこちらからお客様に近づいていくか」/Yahoo!ニュース

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