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セブン&アイのラストワンマイル戦略、配送の指摘下で多様化するニーズに対応

広報部

2021.07.29

セブン&アイ・ホールディングスは、2021年3月から5年間の中期経営計画で「ラストワンマイルDXプラットフォーム」の構築を掲げました。近年では物流業界で使われることの多いラストワンマイルは、「顧客にモノ・サービスが到達する最後の接点」を表します。セブン&アイのラストワンマイル施策では、どのような目的があるのでしょうか。

今回は、セブン&アイのラストワンマイル施策の概要と併せて、今後の予定について見ていきましょう。

セブン&アイのラストワンマイル施策で目指す姿

セブン&アイの主力となる国内コンビニエンスストア事業では、新型コロナウイルス感染症の影響で小商圏化と多様化が進んでいます。このような状況において、「多様化するニーズに対応し、すべての地域社会に利便性を提供する」という目的のもとでDXを推進している状況です。

セブン&アイのラストワンマイル施策では、「利便性の向上」と「地域社会への貢献」を目指す姿として、主に次のニーズに対応します。

  • 即食、中食、出前ニーズ
  • 注文、受け取りの多様化
  • 簡便調理、内食ニーズ
  • お買い物にお困りの方

それぞれのニーズに合わせて、オンデマンド購入としてネットコンビニやe.デパチカ、計画購入としてネットスーパー、対面購入として移動販売のとくし丸、セブンあんしんお届け便などを展開。

2025年度にはグループ全体で約6,000億円の売上規模になると予測されています。

ラストワンマイルDXプラットフォームの概要

オンデマンド配送サービスでは商品の強化、宅配専用店舗の設置やエリアの拡大、配送プラットフォームの構築が検討されています。計画購入では大型センター化、ロッカーなどの受け取り拠点の多様化など、移動販売では軽車両の稼働台数拡大、地域社会との連携を進めているとのこと。

そして、これらの購入・消費・受け取りの基盤として構築する「ライスワンマイルDXプラットフォーム」では、AI配送コントロールによる最適化を実現します。このプラットフォームは4つのコアテクノロジーとして、次のようなものが挙げられました。

  • 車両、ドライバーの差配
  • 配送ルート最適化
  • 配送料ダイナミックプライシング
  • 受け取り場所、時間の最適化提案

これらのコアテクノロジーを活用したAI配送コントロールにより、最大で配送距離を約40%、車両台数を約45%削減することとしています。

セブン&アイのラストワンマイル施策の今後

セブン&アイのラストワンマイル施策は、ネットコンビニは2021年度に1000店舗から開始し、2025年度には全国に展開拡大する予定です。また、デニーズによる宅配は2022年度初頭に宅配専用店舗を拡大、そごう・西武による「e.デパチカ」は2022年度からサービスを開始する予定としています。

加えて、2023年春には、近隣のイトーヨーカドー約30店舗の配送エリア、同センターから約30km県内を配送エリアとする大型拠点「イトーヨーカドーネットスーパー新横浜センター(仮)」を開設する予定です。

〈参照〉セブン&アイが掲げる「ラストワンマイルプラットフォーム」とは/ネットショップ担当者フォーラム

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