近年、AI(人工知能)の発達によってさまざまな業種で活用事例が報告されるようになってきました。そんななかでもコールセンターにおけるAI活用は注目されており、多くの成功事例も報告されています。AIによってコールセンターの今後はどのように変わるのでしょうか。
今回は、コールセンターにおけるAI活用の概要と併せて、無くなる仕事・無くならない仕事、今後のコールセンターに求められることについて見ていきましょう。
コールセンターにおけるAI活用が増えてきている
AIは人間のような知能を持つコンピューターの総称であり、2000年以降にディープラーニングなどの技術が発達したことで活用される機会が増えています。
AIは万能ではなく、現在は限られた一部の業務への適用が行われていますが、コールセンターの業務はAIとの相性が良いといえます。従来、コールセンターでは「オペレーター不足」や「応対対応のばらつき」が課題でしたが、AIを活用したチャットボットや自動音声、ノウハウ自動蓄積などによって解決策の一つとして用いられているのです。
コールセンターにおけるAI活用は、業務効率化や応対品質向上、人手不足の解消手段として導入が進められています。
AI活用によってコールセンターで無くなる仕事・無くならない仕事
AIによって仕事が奪われる、という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。コールセンターにおいては、定型的な問い合わせや受付対応、不特定多数の顧客を相手にするアポイントメントセールスなどはAI化によって業務量が少なくなる、または無くなると言われています。
反対に、AIでも対応できない以下のような業務は今後も残り続けるでしょう。
- 顧客と心を通わせた接客、応対が必要な業務
- 人にしかできない共感、親身さや臨機応変な応対が必要な業務
- クリエイティビティを発揮して問題を解決するような業務
- マネジメント、経営業務
AIはあくまでも人の思考回路を模したものであり、人間と同等の考え方や判断をできるものではありません。ある程度パターン化された業務はAIのほうが高速に対応できますが、上記に挙げたような複雑な業務はAIでも現在では対応が難しいとされています。
今後のコールセンターに求められること
今後、AIを活用する上でコールセンターに求められることは「顧客の問い合わせスタイルの変化への対応」と「顧客体験(CX)の重視」です。
従来の電話やメールのみの対応だけでなく、現在ではチャットやSNSなど問い合わせスタイルが多様化しています。このような多種多様なスタイルの変化に対応することが重要です。
また、現代ではモノや情報が溢れかえっており、顧客は「多くの人」を対象としたものではなく、「自分自身」を対象としたサービスや製品、情報を求めています。顧客にとって「優れた経験・体験」を提供することは、今後のコールセンターに求められる重要な要素です。