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2020年度通信市場、調査開始以来初の成長率20%超えを達成。金額ベースで前年から1兆7800億円の増加

広報部

2021.09.09

2021年8月23日に日本通信販売協会(JADMA)は、2020年度の通信販売市場の売上高に関する調査結果を公表しました。2020年度は新型コロナウイルスの影響もあり、通販市場は大きく成長していることが見て取れます。

今回は、JADMAが公表した過去10年間の通販市場の推移をもとに、直近の市場の状況や傾向について見ていきましょう。

2020年度の通信販売市場は大きく成長

JADMAが今回公表した調査結果は、6月24日~8月13日にかけて実施された「第39回通信販売企業実態調査」から得た回答の売上部分を先行集計した結果に、各種調査から推計できる有力非会員の売上を加えて速報として公表されたものです。調査時点で協会会員434社、有力非会員386社を対象に行われました。

2020年度(2020年4月~2021年3月)の通販市場の売上高は10兆6300億円となり、金額ベースで前年に比べて1兆7800億円も増加しています。これは前年比20.1%の伸び率です。

直近10年の平均成長率は8.7%であり、マイナス成長を記録した1998年以来、22年連続して増加傾向が続いています。また、2020年度の伸び率は調査を開始した1982年度以来初めての20%超えの伸び率となりました。

通販市場の傾向

通販市場の傾向としてはモール系が堅調であり、商材では家電系や家具・食品系など、在宅時間を充実させる目的の商品が好調とされています。

また、JADMAが公開している最新の商品別の売上高は次のような結果となりました。

  • 衣料品:-1.6%
  • 家庭用品:-12.4%
  • 雑貨:+0.2%
  • 食料品:+6.3%
  • 通信教育、サービス:-20.1%

(2021年7月1日~7月31日までの売上高の前年同月比)

一見するとマイナスが目に付きますが、2020年7月は新型コロナウイルスの影響でテレワークも増え始め、自宅で作業をするための家庭用品の準備や、通信教育・サービスを積極的に取り入れていた時期といえます。

現在ではテレワークのための環境も整い終わり、新たに購入する必要がなくなったことがマイナスの要因として考えられるでしょう。それ以外はほぼ横ばいであり、今後も成長の余地はあると見られます。

アフターコロナにおける通販市場はどうなる?

アフターコロナにおける通販市場は、新型コロナウイルスの流行前に状況に戻る可能性は低いのではないでしょうか。仕事ではテレワーク、飲食はデリバリー・テイクアウトが今では一般的になってきています。また、ECサイトもコロナ前よりも活用しているという人は少なくないでしょう。

新型コロナウイルスの流行によってさまざまなデジタル化が進み、私達はその利便性の高さを体感しました。この利便性の良さを手放すことは考えにくいものです。

JADMAが公開している最新の売上高を見ても分かる通り、この状況が続く場合はほぼ横ばいで推移するとみられます。そして、さらにデジタル化が進み、新たな購買体験を得られるサービスやツールが登場すれば、通販市場の売上高は今後も成長すると考えられるでしょう。

〈参照〉通販市場/2020年度は20.1%増の10兆6000億円に拡大/流通ニュース

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