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東急ハンズの「オンライン実演販売」からみる新たな接客・販促

2020.08.24

大都市を中心にホームセンターや雑貨店をチェーン展開する東急ハンズは、渋谷店にてWeb会議サービスのZoomを活用した新たなオンライン実演販売を7月20日から開始しました。この取り組みは8月3日までの限定的なものでしたが、今後の小売業界における新たな接客・販促の事例として見ることができるのではないでしょうか。

今回は、東急ハンズが実施したオンライン実演販売の事例紹介とあわせて、小売業界が注目すべきライブコマースについて解説します。

Zoomを活用した実演販売のライブ中継

東急ハンズは期間限定で、実演販売を手掛けるコパ・コーポレーションと協業して実演販売のライブ中継という形でオンライン実演販売を実施しました。Web会議システムのZoomを利用し、コパ・コーポレーションのスタジオを中継することで実現しています。

従来は店頭で行っていた実演販売をオンラインで実施しており、双方向にコミュニケーションが取れるようになっているため、来店客は直接質問することも可能です。新型コロナウイルスの影響により、非接触ニーズが高まっていることからも、今後の新たな実演販売のモデルとして注目されています。

実際にライブ中継を見た来店客が包丁を購入する例もあり、想定を上回る効果があると分析されています。今後は販売員が1か所にとどまりながら全国の店舗にライブ中継するサービスを検討しているとのこと。

新たな販促となり得る「ライブコマース」

東急ハンズのオンライン実演販売は、オンラインとオフラインを融合させた新たな販促と言えるでしょう。リアルタイムに商品を紹介し、視聴者の質問に答えることで購入意欲を高める手法としては、全てをオンライン上で完結させるライブコマースにも通ずるところがあります。

ライブコマースは中国で大きな成功を収め、近年では日本でも導入され始めています。株式会社ジャストシステムが2019年に行った調査によると、ライブコマースのライブ配信を視聴したユーザーの約5割が商品を購入したという結果があることをご存知でしょうか。

東急ハンズのオンライン実演販売は、商品の購入部分はオフライン(店舗)という違いはあるものの、ライブコマースの仕組みそのものであると言えるでしょう。東急ハンズが実施したようなオンライン実演販売や、ライブコマースはこれからの小売業の新たな販促手段として普及することが予想されます。

〈参照〉東急ハンズ ZOOMを活用した実演販売、8月3日まで/Diamond Chain Store
〈参照〉「ライブコマース」の動画視聴者のうち、5割が商品を購入/Marketing Research Camp

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