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コロナ後の小売店の生き残り戦略-ライブコマースによる越境EC

広報部

2020.05.27

新型コロナウイルスの影響は日本だけでなく、世界中に及んでいます。アメリカのリサーチ会社であるRETAIL DIVEによれば、アメリカの閉店した小売店は今年だけで1万5,000店舗にも及ぶ可能性があると公表しています。日本でも同様の影響がもたらされる可能性は大いにあり、今後の小売店の生き残り戦略は非常に重要であるといえるでしょう。

今回は、コロナ後の生き残り戦略について、海外の事例を交えながら解説します。

Amazonが代替店舗として注目されている

RETAIL DIVEの調査では、コロナの影響により閉店した店舗の多くが再オープンしない動きを活発化させているとのこと。また、アメリカの一般大衆紙USA TODAYによれば、2025年までにアメリカで10万店もの店舗が閉鎖される可能性があると伝えられています。

これらはアメリカでの話ですが、日本においても関係がないとはいえないでしょう。アメリカだけでなく日本も含めた世界中の小売店は非常に苦しい状況にあることがわかります。

そんななか、実店舗を持つ大手ブランドはAmazonブランドに取り込まれる動きがあるとのこと。新型コロナウイルスの流行前は、Amazonでの販売を必要としないと回答する企業も多く存在していましたが、今回のコロナ流行によって販売チャネルの一つとしてAmazonが注目されているのです。

貴重な顧客データや人気商品がコピーされてしまうのではないか、などの懸念から、Amazonの利用を避けてきた企業も多く存在していましたが、選択肢が限られてきてしまっている状態だといえるでしょう。

〈参照〉15K stores could permanently close in 2020, Coresight says(RETAIL DIVE)
〈参照〉100,000 retail stores could close by 2025, accelerated by COVID-19, analysts say(USA TODAY)

「ライブコマース」はAmazonでも実現できていない

しかし、そんなAmazonでも実現できていない業態が存在します。その一つが「ライブコマース」です。

ライブコマースは、テレビショッピングのように商品を紹介し、リアルタイムで商品に関する質問やコメントに回答する新しいEコマースの形です。

実際にアメリカを拠点とする「ShopShops」では、ニューヨークの店舗から中国市場向けに洋服を販売するライブコマースを実施した事例があります。この事例では、平均2万弱のユーザーがリアルタイムに視聴し、複数のアメリカの都市に存在する店舗から配信を行い、毎日イベントを開催していたとのこと。

そのイベントでは1店舗あたりの平均売上が6,000ドルであり、ライブコマースの価値が分かる結果だと言えるのではないでしょうか。

現在ではShopShopsはクローズしていますが、今後の世界情勢を考えるとライブコマースの価値は非常に高く、需要の高まりが期待できるといえるでしょう。

ほぼ24時間営業を可能とする越境EC戦略

ライブコマースはインターネットを利用する販売戦略であるため、越境ECと組み合わせることもできます。配信の時間帯を調整し、世界中のユーザーを対象とすることで「ほぼ24時間営業」を実現することが可能です。

今後は店舗の価値をどのように最大化させるのかが重要になると考えられます。実店舗に人が集まらないのであれば、人が集まる場所に積極的に展開していかなければなりません。今回のコロナ流行では、外出自粛などの影響でEC市場はさらに盛り上がりを見せることとなりました。

ShopShopsの事例のように、ライブコマースと越境ECを組み合わせた販売戦略は、Amazonに頼らず自社ブランドを拡大化させ、今後も生き残り続けるために必要となる戦略と言えるのではないでしょうか。

〈参照〉小売店+ライブコマースーーwithコロナの生き残り戦略は“ほぼ24時間営業”の越境EC店舗/BRIDGE

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