NECのアジア統括会社であるNECアジア・パシフィックは、5月28日に体温スクリーニングシステムを製品化しました。この製品は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて効果が期待されるものであり、東南アジアの企業や商業施設を中心に売り込んでいく考えとしています。
今回は、NECの体温スクリーニングシステムについて紹介します。
4モデルあるNECの体温スクリーニングシステム
NECの体温スクリーニングシステムは、赤外線センサーとデジタルサイネージ、赤外線カメラと顔認証技術を組み合わせた4モデルが存在します。
上位モデルとなる「サーマルFR」と「サーマルFRプラス」では、マスクを着用したままでも顔認証によって本人確認と体温測定が可能です。さらに「サーマルFRプラス」は一度に5人まで顔認証と体温測定ができます。
コロナ感染症によって、商業施設や企業などの入場時に体温測定を行う必要性が高まっています。しかし、体温測定の人員確保や対応人員の感染防止などの対応は難しいもの。
NECの体温スクリーニングシステムは、カメラの前でユーザーが立ち止まる必要のない「ウォークスルー」運用にも対応しています。そのため、無人でも対応でき、入場時の混雑緩和や省人化が可能です。
今後の展開予定
NECの体温スクリーニングシステムは、シンガポールとマレーシアで先行販売されています。その後、他のASEAN各国にも順次投入していく計画です。
新型コロナウイルスによる経済・社会活動の制限は段階的に解除されていくと思われますが、今後も需要は高いままであることが予想されます。NECではそれらを念頭に置き、企業やショッピングモールなどに提案していくこととしています。
AIを活用したスクリーニングは急速に普及することが予想される
日本でも同様のソリューションは多数存在しており、今回のコロナ騒動で需要が高まっています。これらのソリューションの注目点は、AI技術の活用と省人化にあるといえるでしょう。
従来の体温測定は接触しなければ行えませんでしたが、AI技術を活用することで接触する必要がなく、効率的に行えるようになりました。AI技術によって顔認証が高い精度で可能となり、これまでになかった新たなソリューションが次々と生み出されているのです。
コロナ騒動は一時的に落ち着き始めていると見られますが、今後もスクリーニングの需要が減ることはないでしょう。AIを活用したスクリーニングは、体温測定だけでなく入退室管理にも活かされており、セキュリティとしての導入事例もあります。
あらゆる施設への入場時に、AIを活用したスクリーニングが行われる未来はそう遠くないでしょう。