新型コロナウイルスの影響によって顧客動向に変化が起きており、多くの企業がその変化に対応するべく、さまざまな新しいサービスの提供を始めました。そのなかの一つに、ECで注文した商品をドライブスルー形式で受け取れる「ドライブスルー受け取りサービス」があります。
今回は、新たにドライブスルー受け取りサービスを開始したバロー、ベルクの事例を見ていきましょう。
バローのドライブスルー受け取り「ainomaピックアップ」
株式会社バローは東海地方を中心にスーパーチェーンを展開しています。バローでは工場などの事業所向けに、商品を配送する事業である「ainoma」を2019年7月から開始しました。買い物に行く時間がないという「働く世代」の課題解決に向けてはじめたサービスであり、2020年5月時点では契約した28拠点の事業所に務めている方が対象のサービスとなっています。
そんなainomaですが、2020年5月11日から「ainomaピックアップ」として、同社が提供するアプリから会員登録したユーザーを対象に、アプリから購入できる商品をドライブスルー形式で受け取れるサービスを開始しました。
ainomaピックアップは、店内に寄らずに商品を受け取りたいといった要望や、安心して買い物をしたいというニーズに対応するために開始されたサービスです。対象の店舗は、岐阜県可児市の「スーパーマーケットバロー広見店」に限られていますが、新たな取り組みとして注目されています。
ベルクもドライブスルー受け取りサービスを開始
株式会社ベルクは関東地方を中心に展開する食品スーパーマーケットチェーンです。ベルクもバローと同じくドライブスルー受け取りサービスを「ベルク de ドライブスルー」として5月20日からはじめています。
野菜や果物のセットを事前にネット注文しておくことで、ドライブスルー形式で商品を受け取れる仕組みです。こちらも導入の理由としては、接触を極力少なくして安全・安心な方法で商品を提供することとなっています。
受け取り場所は埼玉県戸田市の「ベルク戸田中町店」に限られていますが、サービスが好評であれば他店舗でも実施することとしており、商品ラインナップも追加を予定しているとのこと。
さまざまな企業で導入が進むBOPISの事例
同様のドライブスルー受け取りサービスは、イオンリテール株式会社が展開するイオン各店でも導入されています。このように、さまざまな企業でドライブスルー受け取りサービスが普及し始めているのです。
ドライブスルー受け取りサービスは、海外では主流となりつつあるBOPISの活用事例ともいえます。BOPISはネットで注文した商品を店舗で受け取ることができるサービス・仕組みですが、実店舗における役割に大きな影響をもたらすサービス・仕組みです。
実店舗を通常の買い物用途としてだけでなく、ECの在庫倉庫としても活用できるのです。これは、小売業の今後の課題となる「オンラインとオフラインの融合」を果たすための重要な施策の一つと言えるでしょう。
今後、ドライブスルー受け取りサービスを始めとするBOPISの活用事例は、より多くの企業で見られることになると予想されます。