新型コロナウイルスによって私たちの生活様式は大きく変わりつつあります。仮に今後新型コロナウイルスの騒動が収まったとしても、私たちの生活様式がもとに戻る可能性は低いでしょう。そんななか、小売業界に求められている進化とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、新型コロナウイルスがきっかけとなった小売業界を進化させる新しい生活様式に沿ったサービスについて紹介します。
新型コロナウイルスによって新しい生活様式が求められている
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は大きく変わりました。たとえば、リモートワークや時差出勤、飲食店のテイクアウトやデリバリーを利用する、といったことが日常的になりつつあるのです。
これらは、新型コロナウイルスの感染拡大によって新しく生み出されたサービスではありません。もともと、2019年4月に施行された働き方改革や、これからの飲食業のデジタル戦略の一つとして拡大路線にあったものです。新型コロナウイルスがきっかけとなり、一気に認知・普及したと考えるべきでしょう。
リモートワークやUber Eatsなどのデリバリーは今までも必要とされていたものですが、新型コロナウイルスの影響によってさらに需要が増し、一般的に受け入れられるようになっているのです。
加速するレジレス化
そんななかで、小売業では具体的にどのようなサービスが提供され始めているのでしょうか。そのなかの一つが「レジレス化」です。日本では、トライアルホールディングスの「スマートレジカート」や、イオンの「レジゴー」などのカートにバーコードスキャナーなどを搭載し、顧客がセルフスキャンによって決済を行う仕組みが導入され始めています。
海外では7月に「Amazon Dash Cart」として同様のサービスが現れ、キャッシュレス化とあわせてレジレス化が加速することが予想されます。新型コロナウイルスの影響によって非接触ニーズが高まっているため、レジレス化はさらに加速していくことでしょう。
BOPISの拡大
また、ECで注文した商品を店頭で受け取れるサービスである「BOPIS」の拡大も予想されます。アメリカでは普及が進んでいますが、日本ではまだ数えるほどしか事例がありません。
しかし、新型コロナウイルスの影響によって、広義のBOPISであるカーブサイドピックアップを導入する企業も現れました。カーブサイドピックアップは、ECで注文した商品をドライブスルー形式で受け取れるサービスです。
BOPISも消費者の非接触ニーズの高まりにあわせたサービスといえ、消費者動向をおさえたサービス展開が必要とされていることがわかります。消費者の生活様式が大きく変わりつつあるいま、小売業界も根本的な変化・進化が求められているのです。