最新の技術を活用した次世代型店舗の実証実験が神奈川県川崎市の商業施設「川崎ルフロン」にて始まりました。この実証実験は資産運用会社の三菱商事・UBS・リアルティと靴売り場向け接客支援サービスを提供する株式会社フリックフィットによって行われています。
今回は、2社が実施する1坪の在庫レス子供靴無人店舗「ANIMAUX COUCOU(アニモーククー)」について見ていきましょう。
子供の足の成長に合わせた靴店舗「ANIMAUX COUCOU」
今回の実証実験は川崎ルフロンにて設置されたわずか1坪の無人店舗で行われています。川崎ルフロン6Fキッズフロアのエスカレーター前に設置されたANIMAUX COUCOUは、大画面を通したAR試着で子供靴を実際に履いた際の外観をデジタル試着し、希望の靴を選択後にその場で足を3D計測、フィットするサイズを提案する仕組みです。
その後、画面に表示されるQRコードをスマホで読み取り注文すると、自宅に靴が届きます。さらに両社は、通行量や利用者などのデータを活用し、小売や商業施設運営のDX連携に活用する予定としています。
最新技術を活用した次世代型店舗
この実証実験で注目すべき点は、AR(拡張現実)と3Dを利用したサイズ計測でしょう。VR(仮想現実)・AR・MR(複合現実)などのxRは近年特に注目されている技術です。
これらの最新技術を活用した結果、わずか1坪で無人の店舗を展開できるだけでなく、在庫レス実店舗までが実現しました。人手不足に悩まされる小売業界においては、省人化への効果も期待できるだけでなく、さまざまなデータを取得することで次のマーケティングに活かせる点も大きなメリットとなっています。
オンラインとオフラインの融合事例の一つ
今回の実証実験はまさにオンラインとオフラインの融合を見事に果たしています。小売業におけるDX事例としても注目すべきものであり、店舗側には省人化・コストの削減といったメリットをもたらしています。
また、顧客側は気軽に最適なサイズの靴を購入し、自宅まで届けてくれるといった利便性も大きなメリットでしょう。さらに、新しい買い物体験の提供やデータ活用の可能性など、多くのメリットが見て取れます。
オンラインとオフラインの垣根がなくなりつつあるいま、今後の新常識となる店舗の一つの形と言えるでしょう。